環七通り沿い、引っ越しセンターの跡地に建つ中規模マンションのチラシ。
物件概要
【第1期予告広告】大手町駅直通16分、駅徒歩11分。総戸数80戸、14階建。販売戸数/未定、2LDK+S(66.07m2)~3LDK+S(80.31m2)。予定販売価格3,200万円台~5,300万円台、予定最多価格帯4,100万円台。平成29年12月竣工(本チラシ掲載日の1年3カ月後)。
- ※16年7月22日(金)、9月24日(土)の物件と同じ。
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、10円玉くらいのバカでかい文字で、おきて破りの文言が記されている。
- 10/22(土)・23(日)価格発表会開催(予定)
最近の広告担当者は、こんな基本的なルールも知らないのか?
また、そのような広告をチェックできない売主のコンプラ意識って、いったい・・・・・・。
予告広告に名を借りた『じらし広告』は、 必要な表示事項の規定の特例を定めた予告広告には該当せず、表示規約第8条(必要な表示事項)に違反しているのである。
首都圏不動産公正取引協議会のホームページに「不動産広告の相談事例」として、次のように明確に記されている。
Q.本広告前に販売センターで「価格発表会」を開催する旨を表示した予告広告を行うことはできますか?
結論からいいますと、お尋ねのような広告は行うことができません。
予告広告は、売り手側の事情で価格を決定しかねている場合でも、物件の内容等についてあらかじめ情報を提供し、一般消費者にゆっくり検討してもらうために、本広告で価格を明示することを前提として認められた広告手法です。
お尋ねの趣旨は、消費者にとって最も重要な情報の一つである価格を示さないまま消費者の期待感をあおって販売センター等への来場をうながすための『じらし広告』をしてもよいかということと同じです。
予告広告の趣旨は、売り手側の事情で価格決定が遅れた場合、発売直前にならないと広告が行われないことが多く、消費者は広告情報に接してから極めて短期間に購入するかどうかの判断をしなければならない状況に置かれることを回避し、消費者に物件選択の時間的余裕を与えるために、価格その他の取引条件以外の物件内容に関する情報を提供できる途を開いたものです。
したがって、お尋ねのような『じらし広告』で集客することは、結果として本広告前に来場した顧客に申込み順位を確保するなど事実上の販売行為が行われるおそれがあり、予告広告の趣旨に反するだけでなく、本広告を行わない結果となる蓋然性が極めて高いと考えられます。予告広告に名を借りた『じらし広告』は、 必要な表示事項の規定の特例を定めた予告広告には該当せず、表示規約第8条(必要な表示事項)の規定に違反することになります。
マンション広告に係る人は、不動産広告管理者養成講座の修了認定を受けたほうがいいだろう(アットホームがダントツの1位!不動産広告管理者養成講座の修了認定者数)。
「そんな時間もお金もない!」という人には、拙著「そのマンションチラシ、ルール違反です! Kindle版」をお薦めしたい。
(本日、マンション広告1枚)