臨時国会への民泊新法の提出を見送るらしい。
臨時国会への民泊新法提出見送り(日経記事)
臨時国会への民泊新法の提出見送りを”スクープ”する日経記事。
民泊解禁、新法提出を見送り 臨時国会
国土交通、厚生労働両省は26日召集の臨時国会に住宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める民泊解禁のための新法提出を見送る。
旅館やホテルと線引きするために設ける年間の営業日数を何日にするか関係者間の調整が難航しているためだ。2017年の通常国会への提出をめざす。解禁の遅れは政府の観光戦略に水を差す恐れもある。(以下略)
(日本経済新聞 電子版 9月19日)
民泊新法の臨時国会への提出が見送られた二つの論点
この秋の臨時国会に提出され、年内にも規制緩和が行われようとしていた民泊新法。
民泊新法の臨時国会への提出が見送られた論点は主に二つ。
- 規制改革会議で決定された年間営業日数の上限「180日以下の範囲内」について、具体的な日数をどうするか
- 自治体が独自に条例で営業日数を決められる仕組みをどうするか
「民泊の普及を警戒する旅館業界と、空き物件の活用に前向きな不動産業界の利害が対立している」(日経記事)こともあり、落としどころが見出されていないのであろう。
論点1:年間営業日数
民泊新法の元となる「「民泊サービス」のあり方に関する検討会最終報告書」がまとまるまで、「年間営業日数(例えば30泊以内)の制限を設けるべき」と主張していた旅館業界と「営業日数が1年間のうち半年だとビジネスとして成り立たない」と主張していた不動産業界との溝を埋めるのは時間がかかりそうだ。
第12回「民泊サービス」のあり方に関する検討会「資料2 民泊サービスの制度設計について」P6より
論点2:自治体条例の裁量範囲
自治体が条例で民泊の営業日数を決められる仕組みについては、京都市長が民泊新法で市独自のルール(京都方式)を構築できることを国に求めている。
民泊新法の制定時期が遅れると――
現在全国でAirbnbに登録されている物件数は4万件を超えている(全国Airbnb登録件数 4.1万件!)。
民泊新法の制定時期が遅れると、違法民泊は今まで以上に増加していくのか?
ブラック民泊をホワイト化するには、民泊新法で罰則規定をどうするのかがポイントになるのだが、「法令違反に対する罰則等を設けることを検討すべき」「旅館業法に違反した者に対する罰則については、罰金額 を引き上げる等実効性のあるものに見直すべき」(「民泊サービス」のあり方に関する検討会最終報告書)とするだけで具体的な内容は見えてこない。
違法民泊がテロや犯罪の温床になることを防止するには、強力な罰則規定が必要ではないのか。
民泊禁止のベルリンでは、違反者には10万ユーロ(約1,100万円)が課せられている。
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