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不動産情報ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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民泊に前のめりな知事が笛吹けど、市長踊らず

特区民泊は外国人観光客の受け入れ対策として有効なので、着実に取り組んでいくという、民泊に前のめりな神奈川県の黒岩知事。

それに対して、民泊が多い横浜市や川崎市の市長は民泊に対して慎重な姿勢を取っているというのが本日の話。


もくじ

民泊に前のめりな黒岩神奈川県知事

特区民泊は外国人観光客の受け入れ対策として有効なので、着実に取り組んでいくという、黒岩知事の前のめりな発言。

民泊で「特区の活用進めていく」 神奈川県知事

黒岩祐治知事は13日、外国人観光客の受け入れ対策としての「民泊」について「国家戦略特区による民泊は有効性がある。可能な地域から特区の活用を進めていく」との考えを示した。同日の県議会第3回定例会本会議で県政会の楠梨恵子氏(横浜市栄区)の代表質問に答えた。
(中略)
旅館業法改正で簡易宿泊所の営業として民泊が認められ、民泊新法も予定されており、黒岩知事は「民泊が広がる状況が整う。制度の円滑な運営に向け着実に取り組む」と述べた。(以下略)

(神奈川新聞 9月14日)

 

神奈川県内の民泊を論じるには、県内の民泊の実態をキチンと把握する必要があろう。

まずは、神奈川県内でのAirbnbの登録状況を確認しておこう。

神奈川県内でのAirbnb登録状況

神奈川県は全国ランキング7位

神奈川県内でAirbnbに登録されている物件数は千件あまり。

全国ランキングでは7位。そんなに多いわけではない。

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全国Airbnb登録件数 4.1万件!」より

 

県内のAirbnb登録件数 8月に1,000件を突破

筆者が毎月モニタリングしているAirbDatabank(http://airbdatabank.xyz/)が公開しているデータをもとに、神奈川県内でAirbnbに登録されている物件数の推移をグラフ化してみた。

東京や大阪と比べて一桁少ないものの、県内のAirbnb登録件数は着実に増加し、8月に1,000件を突破したことが分かる。

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県内の各市町村ランキング 1位横浜市(353件)、2位川崎市(172件)

神奈川県内でAirbnbの登録件数が多い自治体はどこか?

AirLABO(http://airlabo.jp/)が無料で公開しているデータのなかから、神奈川県内の各市町村でAirbnbに登録されている物件数(停止中物件を除く)を調べ、グラフ化してみた(次図)。

1位は横浜市が353件でダントツ。2位は川崎市の172件。

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横浜市中区(90件)と川崎市川崎区(65件)が多い

横浜市や川崎市のどのエリアでAirbnb登録物件が多いのか?

横浜市では中区(90件)が、川崎市内では川崎区(65件)がダントツで多い。

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横浜市中区では、中華街(山下町)やドヤ街(寿町)にAirbnb登録物件が多いことが分かる(次図)。

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(AirLABOに承諾を得てマップデータを掲載)

 

また、川崎区では川崎駅の東側に多いことが分かる(次図)。

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(AirLABOに承諾を得てマップデータを掲載)

 

横浜市や川崎市などには県の民泊条例は適用されない

以上のように、神奈川県内では横浜市や川崎市の一部のエリアに民泊が多いことが確認できた。

ただ、外国人観光客の受け入れ対策として特区民泊を活用していこうという黒岩知事の目論見は、なかなかそうは問屋が下ろさないのである。

なぜならば、神奈川県が特区民泊条例を制定しても、神奈川県全域に適用されるわけではないからだ。

横浜市や川崎市などの保健所が設置されている自治体は、県の条例とは別に独自の条例を制定する必要があるのである。

具体的には次図に示す5つの市(横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、藤沢市)。いずれも県内で人口が多い自治体ばかり。

Airbnbの登録件数が多い肝心の自治体には、県の民泊条例は適用されないのだ。

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では、横浜市や川崎市は民泊に対して、どのように考えているのか?

横浜市長:規制緩和には慎重な検討が必要

中山大輔議員(民進党)の一般質問に対する林文子市長の回答は、「規制緩和には慎重な検討が必要」とやや後ろ向きな見解を示している。

民泊に対する今後の対応についてですが、国は簡易宿所のフロントについて、設けることから、設けることが望ましいへ規制を緩和しましたが、現在の横浜市旅館業法施行条例では、簡易宿所についてもフロントの設置を義務づけています。

フロント設置の基準は、宿泊施設側が宿泊客を把握し、防犯や衛生上の対策を講じるために重要でございまして、規制緩和には慎重な検討が必要と考えております

本市としましては、6月に報告が予定されている国の検討結果に応じて慎重に判断してまいります。

平成28年第2回定例会 5月27日

 

川崎市長:(民泊は)市民生活には少なからず影響を及ぼす

福田紀彦川崎市長は16年1月4日の市長記者会で、記者の質問に対して、独自に条例を定めるような構想は「ないですね」と応えている。

私は観光・MICEのプロジェクトチームに入っているんですが、それぞれ民泊についての議論もありました。

それぞれ条例というよりも、国で今の業法の中で少し新たな区分を設けてという話も聞いているので、その法律の運用の形を見きわめていきたいなとは思っていますが、やはりメリットと同時にデメリットもあるので、そこのところをしっかり担保していかないといけないなと思っておりますし、そのような発言をさせていただきました。

特に、いきなり住宅地で民泊が起きてくることになりますと、それは市民生活には少なからず影響を及ぼすことですから、そういったルールづくりは少し、これから形が見えてくるのであれば、機会を見て意見していきたいなとは思っていますけれども。

<記者> そうすると、国の法律ではなくて、例えば、独自に条例を定めるとか、そういった構想は今のところはない……
<市長> ないですね。もう既に国でその検討が始まっている状況ですから、条例でどうのこうのとしている間に、もう国が既に動き出すということですから、そこにしっかりと、もし私どもと違う考えのことであれば、しっかり国にも要望活動していきたいと思いますし、そういう立場です。

 

また、平成28年第2回定例会(6月8日)で、山田晴彦議員(公明党)の質問に対して、経済労働局長は次のようにそっけない回答をしている。

民泊につきましては、国における法整備などの状況を踏まえ、関係局と検討しているところでございます。

 

民泊に前のめりな知事が笛吹けど、市長踊らず

民泊に前のめりな黒岩神奈川県知事に対して、肝心の林文子横浜市長と福田紀彦川崎市長はともに民泊に対して慎重な姿勢を崩していないのである。

 

民泊に前向きな松井大阪府知事に対して、民泊が多い大阪市・東大阪市・八尾市が民泊に慎重な構図とよく似ている(東京よりもヤバイ?大阪の民泊事情 )。

民泊に前のめりな知事が笛吹けど、市長踊らず――。

多くの違法民泊を抱えている市長らの今後の対応に要注目。

 

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