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マンションに言及されているのはたったの1か所!東京都都市計画審議会答申

東京都は9月5日、「東京都都市計画審議会答申」を公表
同答申は前舛添知事が2年前(2014年9月2日)、東京都都市計画審議会に対して、「2040 年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について」諮問していた事項に対する回答。


もくじ

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答申文書(PDF:1.4MB)は次の4章から構成される。全35頁。

  • 第1章 2040 年代に想定する社会変化の見込み
  • 第2章 2040 年代に果たすべき東京の役割
  • 第3章 2040 年代に目指すべき東京の都市像
  • 第4章 都市像の実現に向けて

 

住居に係る部分を中心に、ピックアップしておこう。

ライフスタイルに対応する多様な空間

ライフスタイルに対応する多様な空間

  • にぎわいを楽しむ区部中心部の居住から緑に囲まれたゆとりある郊外部の居住まで、様々な人々の多様化する価値観やライフスタイルに対応できるよう、良質な住宅を供給し、高齢者や子育て世代など幅広い世代が憩い、居住できる場を提供していくべきである。
  • 通勤を必要としない就業形態や居住とオフィスの複合化二地域居住やサテライトオフィスなど、柔軟な働き方に対応する視点を持った都市づくりを進めるべきである。

(P25~26)

「二地域居住」の促進は、今年の3月に閣議決定された「住生活基本計画(全国計画)」で国交省が掲げた空き家対策の基本的な施策のひとつでもある。  

「区部中心部の居住から緑に囲まれたゆとりある郊外部の居住まで・・・良質な住宅を供給」って、当たり前のことを述べているだけでは?

 

区部中心部における質を重視した居住への転換

区部中心部における質を重視した居住への転換

  • 区部中心部においては、これまでの取組により、多くの住宅ストックが形成されているが、その一方で、高齢者や子育て世代の居住、外国人ビジネスパーソンの中長期滞在のニーズなどには必ずしも応えられていない
  • そこで、今後は、住宅の整備に合わせて、介護・保育機能や外国人向けの生活関連機能が充実するなど、家族構成やライフスタイルの変化を考慮した良好な居住環境を確保できる「質の充実」に転換し、多様で豊かなコミュニティを創出していくべきである。

(P27)

外国人向けの生活関連機能が充実した居住環境を確保とは、何のことを言っているのか?

「外国人対応のサービスアパートメント」として、「短期~中・長期の滞在ニーズに対応し、ホテルとアパートの中間的な機能を持ち、フロントやクリーニングなどのサービスや家具が備わっている賃貸住居」(P15)を確保することを指している。

 

空き家・空き地・公的不動産等を活用したコミュニティづくり

「活用が難しい空き家」は除去して、新たな都市づくりの財産として活用する。

分譲マンションは、適切な維持管理や耐震化を進める一方で、更新時期を迎える場合には再生を積極的に進めていくべきとしている。

空き家・空き地・公的不動産等を活用したコミュニティづくり

  • 今後、都内では多くの空き家の発生が危惧されており、「活用可能な空き家」と「活用が難しい空き家」を適切に 峻しゅん別した上で、立地特性に応じた対策を講じていく必要がある。
  • 「活用可能な空き家」は、福祉・芸術・文化や地域コミュニティなど多様な目的での活用を促進するとともに、老朽化が著しいなど「活用が難しい空き家」は除去し、地域に必要な施設の用地やオープンスペースとして活用することで、広場や農空間、ゆとりある住環境の創出など、新たな都市づくりの財産として活用していくべきである。
  • 空き地等については、ポケットパークとして整備するなど、コミュニティ形成や地域の防災活動の場として有効に活用すべきである。

  • 分譲マンションについても、適切な維持管理や耐震化を進めるなど、都市の貴重なストックとして活用していくとともに、更新時期を迎える場合には、まちづくりと連携した再生を積極的に進めていくべきである。
  • また、公有地の活用や既存施設の用途転用など「公的不動産の柔軟な活用」も検討課題であり、空き家利用と連携しつつ都市機能の集約、多様なコミュニティの創出に資するように活用すべきである。

(P27)

 

マンションに言及されているたったの1か所!

全31頁の答申文書のなかで、「マンション」という用語ができてたのは、上記の1か所だけ。

しかも、「適切な維持管理や耐震化」を進め、寿命がきたら「まちづくりと連携した再生を積極的に進めていくべき」というべき論で終わっている。

本答申書は2040年代に向けた道筋を描くものなのだから、せめて都内で無秩序に建設されているマンション、特にタワーマンションをどうしていくのかの言及が欲しかった。

現在、東京23区では6割近い世帯がマンションに住んでいるのだぞ(次図)。

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東京23区では6割近い世帯がマンションに住んでいる」より

 

委員の中にマンション問題に明るい専門家がいない?

少なくともマンションに関しては、もの足りない答申文書である。

この文案に係った委員名簿の12名のプロフィールを調べてみて、納得。

都市計画や緑化計画を専門としている委員は多いが、マンション問題に明るい専門家がいないのでは。

あえて挙げるとすれば、「住居学・住宅計画」を専門としている水村容子 東洋大学ライフデザイン学部教授くらいか――。

以下に各委員の専門分野等を示す。

【委員】

  • 青山佾 明治大学公共政策大学院特任教授
    元都職員。東京都副知事(99年~03年)。自治体政策・都市政策・危機管理
  • 堀江典子 佛教大学社会学部准教授
    都市環境学、都市計画、造園学、博物館学
  • 屋井鉄雄 東京工業大学大学院総合理工学研究科教授
    国土・都市計画、環境交通工学

【臨時委員】

  • 委員長岸井隆幸 日本大学理工学部教授
    交通工学・国土計画
  • 委員長代理瀬田史彦 東京大学大学院工学系研究科准教授
    国土・都市計画、地域開発、グローバル都市論
  • 加藤孝明 東京大学生産技術研究所准教授
    地域安全システム学
  • 村木美貴 千葉大学大学院工学研究科教授
    都市計画マスタープラン・広域都市計画・ 低炭素型都
  • 保井美樹 法政大学現代福祉学部教授
    都市政策・地域自治

【専門委員】

  • 河島伸子 同志社大学経済学部教授
    経済政策(含経済事情) 文化産業論
  • 藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク代表
    実業家、経済評論家
  • 水村 容子 東洋大学ライフデザイン学部教授
    住居学・住宅計画
  • 山崎亮 東北芸術工科大学デザイン工学部教授
    ランドスケープデザイナー、コミュニティデザイナー

 

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