不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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名古屋圏・地方圏のマンション事情(平成28年第2四半期)

国土交通省は6月4日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)(平成28年第2四半期)」を公表。

同レポートは比較的バイアスがかかっていない、新築マンションの市況を知り得る数少ない情報だ。 名古屋圏・地方圏の新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」をピックアップしておこう。

※湾岸エリア(東京圏)、大阪・京都のマンション事情については、下記ご参照。


もくじ

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「平成28年第2四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」より

 

名古屋圏

名古屋市(東区/大曽根)

ファミリー層等の中間所得者層からのマンション需要が根強く、分譲マンションの売れ行き好調。

地価動向

  • 当地区は大型ショッピングモールに近接する等、生活利便施設が充実し住環境も良好であるため、マンション需要についてはファミリー層等の中間所得者層から根強い人気のある地区で、分譲マンションの売れ行きも好調である。
  • このように当地区の優れた立地条件等から、マンション素地の取得需要は強く、マンション開発適地が供給されればマンションデベロッパー間での取得競争は熾烈なものとなっている。
  • したがって、取引価格が上昇しており、地価動向はやや上昇傾向にある。

将来地価動向

  • 名古屋市内では、立地条件等が優れるマンションの売れ行きは堅調である。
  • 一方、マンションデベロッパーは依然として高止まり傾向にある建築費と昨今における土地価格の上昇分をマンション分譲価格に転嫁せざるを得ない状況にあるが、そのような転嫁が可能な優良物件に対する各デベロッパーの素地取得意欲は旺盛である。
  • 当地区は生活利便施設が充実し、住環境も良好であるため、ファミリー層等の中間所得者層からのマンション需要が根強く、分譲マンションの売れ行きも好調であるため土地価格の上昇分等を分譲価格に転嫁することが可能であり、今後もまとまったマンション素地の供給があれば、複数のデベロッパーからの強い需要が見込まれる。
  • したがって、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

 

名古屋市(千種区/覚王山)

高所得者層からの強い需要が続いており、販売状況は好調。立地面で優れる物件と劣る物件とで売れ行きに明確な格差が生じている。

地価動向

  • 当地区は名古屋市内でもブランド力のある住宅地であるため、マンション分譲価格が相対的に割高であっても、高所得者層のマンション需要を取り込んで分譲することも可能であり、販売状況は好調である。
  • 一方、マンションデベロッパーは、高止まり傾向の建築費と昨今のマンション素地価格の上昇分を分譲価格に転嫁せざるを得ない状態にあるが、当地区は上記の状況から転嫁が可能である。
  • そのため、マンションデベロッパーは当地区でマンション開発素地の供給があれば積極的に取得をしており、その取得競争は熾烈で高値での取引が続いている。
  • したがって、取引価格は緩やかに上昇し、地価動向はやや上昇傾向にある。

将来地価動向

  • 名古屋市内の立地面に優れ仕様グレードの高いマンションは、分譲価格が相対的に割高であっても、良好な資金調達環境を反映して購買力のある高所得者層からの強い需要が続いており、販売状況は好調である。
  • 一方、ファミリー層等の中間所得者層が購入者の中心となる郊外のマンションは、中間所得者層にとっては数年前と比較し分譲価格に割高感が出てきており、立地面で優れる物件と劣る物件とで売れ行きに明確な格差が生じている。
  • こうした中、当地区は高所得者層のマンション需要を取り込むことが可能であるため、マンションデベロッパーによる立地面に優れた当地区のマンション素地に対する旺盛な取得需要の集中は当面続くと予想され、将来の地価動向は引き続きやや上昇傾向と予想される。

 

名古屋市(昭和区/御器所)

ファミリー層のみならず利便性を重視するDINKS層等からも人気のあるマンション適地で、マンション販売状況は好調。

地価動向

  • マンションデベロッパーは、高止まり傾向にある建築費と昨今のマンション素地価格の上昇分をマンション販売価格に転嫁せざるを得ない状態にあるが、転嫁可能な地区についてはマンション素地の仕入れは積極的である。
  • その中でも当地区は都心への交通アクセスに優れ、また、周辺に生活利便施設が充実していることから、ファミリー層のみならず利便性を重視するDINKS層等からも人気のあるマンション適地で、マンション販売状況は好調である。
  • そのため、当地区のマンション素地に対するデベロッパーの取得意欲は依然として堅調で、まとまった規模を有する土地や立地条件に優れる物件を中心に、取引価格は上昇傾向にあることから、当期の地価動向はやや上昇で推移した。

将来地価動向

  • 名古屋市内でマンション購入を検討する富裕層やDINKS層は、利便性を重視する傾向があり、更に将来の資産価値維持のためにも郊外の落ち着いた住環境を有する地区よりも利便性等立地面に優れる地区のマンションを購入する傾向が強くなってきている。
  • こうした中で当地区は都心への交通アクセスに優れ、また、生活利便施設が充実し、住環境も良好であるため、上記の購入者層は元より、ファミリー層等からも人気のあるマンション適地であり、マンション分譲価格は引き続き上昇している。
  • したがって、当地区においてはデベロッパーのマンション素地の取得意欲は堅調な状態が続いており、将来の地価動向もやや上昇傾向が続くと予想される。

 

地方圏

札幌市(中央区/宮の森)

デベロッパーは立地に優れた中央区中心部の物件に供給を絞り込む傾向を一層強めており、マンション分譲価格の上昇が継続。

地価動向

  • 市内の人口増加が中央区に集中するなか、デベロッパーは立地に優れた中央区中心部の物件に供給を絞り込む傾向を一層強めており、マンション分譲価格の上昇が継続している。
  • 中央区のなかでも当地区は、古くから名声の高い住宅地で、市内の需要者のほか、市外・道外・海外富裕層からの需要も長期的に見込める地区であるため、特に高い競争力を有しており、マンション分譲価格の上昇期においてもエンドユーザーの需要は引き続き旺盛である。
  • 当期においては引き続きマンション素地の高額な取引が散見され、地価動向は上昇が続いている。

将来地価動向

  • 当地区のマンション分譲価格及び中古マンション価格ともに上昇傾向を示している中、市内でも名声の高い競争力を有する立地であるなどエンドユーザーからの需要が長期安定的に見込まれるため、今後も高級住宅地として道内外のデベロッパーの開発意欲やマンション適地に対する需要は堅調に推移する見通しである。
  • 今後は当地区における優位な立地のマンション素地の供給数が減少し、素地取得及びマンション供給動向は踊り場を迎えることが見込まれるが、デベロッパーの取得意欲は依然として高く、堅調な需要に支えられ、将来の地価動向は当面は上昇が継続すると予想される。

 

仙台市(青葉区/錦町)

東日本大震災以降、分譲価格の極端な上昇が続いており、追従できるエンドユーザーが減少している模様。

地価動向

  • 市内マンションの分譲価格は、建築費及び素地価格の高騰などの影響により、引き続き上昇傾向であるが、販売スピードは鈍化してきている。
  • 東日本大震災以降、分譲価格の極端な上昇が続いており、追従できるエンドユーザーが減少している模様である。ただし、マンション素地の供給は極めて少なく、適正な事業採算の見込める素地に対するデベロッパーの需要は十分に見込める。
  • 更に当地区は居住環境や品等に優位性があるため、戸建住宅も含めた居住用不動産に対する需要自体は比較的旺盛であり、引き合いは強い。
  • マンションの募集賃料については高止まりしており、稼動率は安定的に推移している。このため、有用な資産運用として、収益物件に対する需要は引き続き強い状況にある。
  • 以上より、取引価格は緩やかな上昇を継続し、地価動向は引き続きやや上昇傾向で推移している。

将来地価動向

  • マンション市場については、東日本大震災以降、市内中心部ではデベロッパーによる激しいマンション素地取得競争が発生し、相場を大きく逸脱するような入札による高値落札が頻発していた。
  • ただし、近時では前述の通り、分譲価格の上昇に伴いエンドユーザーの消費マインドが変化してきたことにより販売価格は頭打ちとなっており、マンション素地の取引価格は適正な事業収支に基づく素地価格の水準に収斂していくことが予想される。
  • 一方、良好な住環境を有する品等の高い当地区においては、賃貸需要が堅調であることから収益物件としての需要も十分に見込める。
  • 以上により、上昇幅は縮小しながらも、将来の地価動向は引き続きやや上昇すると予想される。

 

草津市(南草津駅周辺)

今後供給が見込まれる新築マンションはほとんどない。中古マンションの売れ行きが引き続き好調。

地価動向

  • 当期は当地区及びその周辺地区においてマンション開発素地の取引は見られないが、草津駅周辺で平成29年度竣工予定の分譲マンションの新規分譲が計画され、また、隣接する大津市でもマンション計画が多く見られる。
  • なお、草津駅・南草津駅を最寄り駅とする分譲マンションは近年ほとんどが竣工前に完売している状況であり、当地区でも平成28年2月に竣工したマンションは竣工前に完売した。
  • 草津駅、南草津駅周辺では大規模な土地の供給がほとんど見られず、開発適地も限られていることから今後供給が見込まれる新築マンションはほとんどないが、中古マンションの売れ行きが引き続き好調で、マンション需要は旺盛である。
  • 以上の状況からも、JR草津駅、南草津駅から徒歩圏内のマンションの人気の高さが窺え、両駅最寄りの物件を高く評価するデベロッパーが多く、当地区に対する土地取得需要は強いため、マンション分譲価格はこれ以上の上昇が見込めないとの見方はあるものの、取引価格はやや上昇に転じ、当期の地価動向はやや上昇で推移した。

将来地価動向

  • 当地区は住環境が良好である点や新快速停車駅で利便性が高いこと等からマンション素地等の需要が非常に強く、南草津駅から徒歩圏内のエリアを中心に、マンションデベロッパーから見た場合には事業成立性が県内で最も高い地区と評価されている。
  • 草津駅周辺で新規供給予定があり、また隣接する大津市では、新築マンションの計画も多く、マンションデベロッパーの取得意欲は引き続き強い傾向が窺える。
  • 建築費や販売価格の水準は当面大きな変化はないと判断しているデベロッパーは多いものの、草津市の人口は増加傾向にあり、草津駅、南草津駅から最寄りのエリアを限定してマンションを求める需要者も多く、前記のように当分の間はマンション需要は堅調に推移すると予想されることから素地に対する取得需要が旺盛で、将来の地価動向はやや上昇傾向で推移すると予想される。

 

広島市(中区/白島)

マンション販売は好調を維持。新築物件の増加が今後の賃貸マーケットに影響を及ぼす可能性。

地価動向

  • 平成27年3月に開業した新白島駅の効果もあって、立地条件が優る一部の賃貸住宅で新規賃料が上昇しているが、全体では概ね横ばいである。
  • 投資用賃貸マンションの供給は減少傾向にあるが、取得需要が強い状況に変化はない。供給物件が不足していることから、取引利回りの低下が続いており、取引価格は上昇傾向にある。
  • 一方、マンション分譲価格は上昇しているが、販売は好調を維持し、完成在庫もエリア全体で260戸程度と低い水準で推移している。
  • 当期に行われた開発素地の入札では、住宅系の不動産会社が高額で落札した。旧市内を中心に開発素地の仕入れが困難な状況が続いており、また、供給が限定的であるため、取引価格は上昇傾向にある。そのため、地価動向はやや上昇している。

将来地価動向

  • 当地区は、住宅地としてのブランド力のある地区である。新白島駅の開業効果が続いており、富裕層向けの戸建住宅や分譲マンション及び賃貸住宅等の開発素地の需要が一段と強まっている。
  • マンション販売は好調を維持しており、利便性の良い高級住宅街では戸建需要が強く、高額での取引が見られる等旺盛な住宅需要に牽引される形で取引価格の上昇が続いている。
  • 一方、賃貸住宅は、駐車場として利用していた土地が賃貸マンションとして建設される事例や相続対策による建設が増える等、新築物件の増加が今後の賃貸マーケットに影響を及ぼす可能性も含んでいるが、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

 

福岡市(中央区/大濠)

マンション分譲価格は高値の水準にあるが売行きは比較的好調を維持。販売が振るわない物件も存在し、その増加傾向が顕著となっている。

地価動向

  • 当地区で現在販売中のマンション分譲価格は高値の水準にあるが売行きは比較的好調を維持している。
  • 市内の他の優良マンションエリアも、商品性が高い優良物件の場合は高値であっても販売は比較的堅調であるが、一方で販売が振るわない物件も存在し、その増加傾向が顕著となっている。
  • しかし、中央区・早良区の優良マンション適地で行われているマンション用地の入札は競合が激しく、依然として高値での落札が続いている。
  • マンション販売価格はほぼ上限に達していることから、多くのデベロッパーは警戒感を強めているものの、取引意欲が旺盛なデベロッパーもまだ存在している。
  • したがって、取引価格の上昇の勢いはやや弱まりつつも、地価動向は依然としてやや上昇傾向にある。

将来地価動向

  • マンション販売価格がほぼ上限に達しているため、さらなる地価上昇は一層見込みづらくなってきているが、建築の仕様を落としてまで競合によって高額となった土地代に耐えるデベロッパーが依然として存在しており、こうした状況はもうしばらく続くことが予想される。
  • 景気の先行不透明感は高まっているが、将来の地価動向についても、極端な販売不振のマンションが現れない限り、上昇幅は弱まりつつもやや上昇傾向が続くと予想される。

 

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