マンション管理業協会は8月1日、「平成28年度 マンション維持修繕技術者試験の実施概要」を発表。
同試験は2002年度から実施されていて、登録者数は2016年8月現在3,680名だという。
マンション維持修繕技術者試験の実態を調べてみた。
- マンション維持修繕技術者とは、どのような資格なのか?
- 合格率は概ね27~28%
- 受験者の7割近くが東京
- マンション維持修繕技術者資格試験の年間収益3千数百万円
- マンション維持修繕技術者認定試験は4番目の柱に育つ
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マンション維持修繕技術者とは、どのような資格なのか?
マンション管理業界内におけるマンション修繕のスペシャリストとの位置づけではあるが、国家資格ではない。
マンション維持修繕技術者は当協会の認定資格であり、マンションの維持・修繕に関して一定水準の知識と技術を有していることを審査・認定することにより、マンション建物・設備の維持保全に関する知識・技術及び対応力の向上を図り、もって円滑な共同居住に関する社会的な要請に応えることを目的としています。
マンション(区分所有建物)という特性を理解し、その特化した専門知識を以て管理組合の維持・修繕をサポートする、管理業界内におけるマンション修繕のスペシャリストとしての位置付けとしております。
合格率は概ね27~28%
協会のホームページに、同試験の2002年度以降の合格率が掲載されている。
また、2009年度以降については各年度の受験者数・合格者数・合格率データがホームページに埋もれていたので、拾い上げてグラフに整理してみた(次図)。
資格ができたばかりのころは、合格率が高かったことが分かる(1年目66.10%、2年目49.70%、3年目31.40%)。
4年目以降の合格率は概ね27~28%で推移している。
ここ数年の受験者数の伸びは著しい。
受験者の7割近くが東京
2009年度以降については、地域別の受験者数も掲載されていたので、グラフに整理してみた(次図)。
受験者の大半は東京であることが分かる。
15年度は受験者の66%が東京であった(次図)。
マンション維持修繕技術者資格試験の年間収益3千数百万円
世の中には「本当に役に立つのか?」と思うような民間資格がいろいろとあるものだ。
2015年1月に創設された「空き家管理士」と比べてどうなのか?(飯が食えるかという点も含めて)
マンション維持修繕技術者試験には、受験料10,800円(消費税込)、登録手数料 6,480円(消費税込)のほか、 5年ごとに更新講習を受講するか小論文を提出する必要がある(税込み更新料3,000円)。
協会がこの資格の認定事業でどれくらいの収益を上げているのか試算してみた。
協会の収入(=受験料×受験者数+登録手数料×合格者数)で計算すると、2年続けて3千数百万円の収益を上げていると推定できる(次図)。
※登録手数料は合格者全員分を計上、更新料3,000円見込まないで試算。
協会のホームページに掲載されている「平成27年度会計報告書」のうち「正味財産増減計算書内訳表」をひも解くと、「マンション維持修繕技術者認定試験事業収益」として37,660,874円が計上されている。
関連事業を含めた年間収益は4,730万円。5千万円に迫っている。
- マンション維持修繕技術者認定試験事業収益(3,766万円)
- マンション維持修繕技術専門課程研修事業収益(887万円)
- マンション維持修繕技術者フォローアップ研修事業収益(77万円)
マンション維持修繕技術者認定試験は4番目の柱に育つ
マンション管理業協会の年間事業収益(合計4億円)の内訳をみると、「主任者試験事業」「保証運営事業」「実務講習事業」に次ぐ4つ目の柱になっていることが分かる(次図)。
「マンションチラシ検定」の受験料は99円(笑)
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