Airbnbは5月31日、民泊の近隣住民向けに、苦情を報告するためのツール「Airbnbと近隣のホスト」を公開。
同ツールの使い方を紹介し、最後に、実際に使ってみた感想を記しておいた。
Airbnbは近隣住民からの苦情受付窓口を開設
平成28年3月14日に行われた「規制改革会議公開ディスカッション」の場で、Airbnb日本法人の代表を務める田邉氏は、「シェアリングエコノミーが拡大していくためには、地域社会との共存は欠かせない」として、Airbnbホストの近隣住民から苦情や意見を受け付ける窓口を設置すると予告していた。
今回、匿名でも通報可能な苦情受付窓口として、迷惑民泊ホストへの苦情報告ツールが公開された。
Airbnb日本法人の代表を務める田邉氏
「規制改革会議公開ディスカッション(平成28年3月14日)| 政府インターネットテレビ」より
実際に使ってみた。
Airbnbが提供する、迷惑民泊ホストへの苦情報告ツールの使い方
1.ホストの迷惑行為を選択
まず、「Airbnbと近隣のホスト(https://www.airbnb.jp/neighbors)」にアクセスすると、「近隣のAirbnbのホストに関してお持ちのご懸念をお知らせください」という画面が表示される。
「問題を選択」のプルダウンメニューを開くと、次の4択が表示される(次図)。
- 騒音・騒動・パーティー
- 公共スペース(駐車場、ゴミ集積所など)
- 近所のホスティング全般にまつまる懸念
- 個人の安全または犯罪行為
2.通報者(自分)の氏名・メールアドレスを入力
「近所のホスティング全般にまつまる懸念」を選び、通報者(自分)の氏名とメールアドレスを入力し、「次へ」をクリック(次図)。
※電話番号は任意なので記入せず。
入力したメールアドレス宛に、すぐに確認メールが届く(次図)。
3.問題となっている物件のURLを入力
上図の「メールアドレスを確認する」ボタンをクリックすると、リスティングの特定に必要な情報の入力画面が表示されるので、筆者が把握している極めて悪質な物件のURLを入力した(次図)。
4.ホストに伝えたい迷惑内容を入力
画面をスクロールして「トラブルの内容」と「トラブルの発生日時」を入力する(次図)。
※入力した内容は、ホストに転送される。
5.Airbnbだけに伝えたい内容があれば入力
さらに画面をスクロールし、Airbnbだけに伝えたいことがあれば、入力する(任意)。
※左下のチェックボックスのチェックを外しておくと、自分の連絡先はホストに知られない仕組みになっている。
上図の「トラブル内容を送信」をクリックすると、トラブル内容が送信された旨を知らせる画面が表示される。
入力したメールアドレス宛に、すぐに「5営業日以内に折り返し連絡する」旨を記したメールが届く(次図)。
6.後日Airbnbからの処理メールが届く(5営業日以内)
4日後、回答メールが届いた(次図)。
当該ホストに近隣住民からの苦情を伝えた旨が、英文と機械翻訳されたヘンな日本語で記されている。
雑感(実際に苦情報告ツールを利用してみて)
苦情を送信したのは6月1日(水)18時。Airbnbから処理した旨を伝えるメールが届いたのは4日後の6月5日(日)03時27分。たしかに「5営業日以内」に処理されている。
届いたメールを見ると、MAX氏がPDTで16月4日(土)11時27分に配信していることが分かる。PDTとは太平洋夏時間のこと。日本時間では、日曜未明の03時27分である。
海外のカスタマーセンター(カスタマーエクスペリエンス)のMAX氏から、「あなたの隣人に苦情を共有し、問題に対処するためにそれらにいくつかの提案を与えました」と、日曜の未明からヘンな日本語で言われても、なんだかなぁ。
肝心の物件のほうはといえば、Airbnbサイトから削除されることもなく、いまでも普通に閲覧することができる(6月5日現在)。
近隣住民からの苦情や意見を受け付ける窓口は確かに設置されたが、Airbnbは受け付けたクレームをホストに伝えて終わり。
もし、「犯罪行為」に関わる通報だったら(犯罪の温床リスク問題|あなたの知らない「民泊」のもう一つの負の側面)、Airbnbはもっと積極的な対応をしていたのだろうか。
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