5月17日に開催された参議院予算委員会で、民泊質疑が行われた。
参議院インターネット審議中継サイトで同委員会の録画を視聴できる。まだ議事録がアップされていないので、質疑のやり取りをテキスト化(ほぼ全文)しておいた。
福山哲郎委員(民進党幹事長代理)による質疑1時間のうち15分間(2:25~2:40)が民泊関係。
実態把握はできているのか?
※下記文章中「・・・」はテキスト化を省略した部分。
- (福山委員)(京都市が公表した民泊実態調査の結果を紹介したうえで)・・・このこと(Airbnbに登録されている物件の所在地の把握ができていないこと)について、河野大臣はどう思われていますか?
- (河野大臣)・・・シッカリ各省庁で議論をしていかなければならんと思っています。・・・必要な法整備に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
- (福山委員)この厚労省の調査で十分だと思いますか? 実態把握は。
- (河野大臣)さまざまなところからも各省庁ご意見を聞いて、取り組んでいただいていると承知しております。
- (福山委員)(答えていない)
- (議長)河野大臣もう一度答えてください。
- (河野大臣)一つの調査で何か決めるのではなくて、様々なご意見を聞きながらやるわけでございます。
- (福山委員)(答えになっていない)
- (議長)もう1回。河野大臣。
- (河野大臣)厚労省がキチンと調査されたと認識しています。
- (福山委員)これが十分だと河野大臣思われているのですか?
- (河野大臣)京都のさらに丁寧な調査もあるんだろうと思いますので、そうしたものを使いながら、もし厚労省のものが十分でなければ、そうしたものを使いながら、あるいは様々な方のご意見を聞きながら議論をするのが大事だというふうに思っております。
- (福山委員)京都は逆に言うと地域の特性があります。ほかの地域はほかの地域の特性があります。大臣はもうこれ以上調査は必要がないとうお考えですね?
- (河野大臣)様々な課題にこの民泊というサービスを推進していくなかで、どう取り組んでかということを議論することが大事だと思っておりますので、各省様々で課題を巡って議論をしていただいております。早く結論を出していきたいというふうに思っております。
テロの問題、住民の不安をどうするのか?
(答えにならない答えを連発する河野規制改革担当大臣)
- (福山委員)・・・所在地が分からなければ感染経路とか全然特定でいないですよ。テロの問題どうすんですか?住民の不安どうすんですか?
- (河野大臣)こうしたサービスが実態として先行しているのが事実でございますので、そうしたいま委員がおっしゃたような問題を含め様々な課題がございます。その課題にしっかり対応できるようどうしていったらいいかという法整備の議論をいましているところでございますので、キッチリと議論をして進めていきたいと思っております。
- (福山委員)違法なものを合法化することが規制緩和ではありませんよ。いいですか、間違えちゃいけませんよ。課題を見つけてチャンとルール化することが重要なんですよ。河野大臣どうですか?
- (河野大臣)これまで無かったサービスが出てきているわけでございますから、それをどのようにこの国の経済の中に取り入れていくかというのは、非常に大事な課題だというふうに思っておりますので、そのために必要な法整備はシッカリやっていきたいと思っております。
民泊を行政の把握可能な状態に置く(塩崎厚労大臣)
- (福山委員)厚労大臣。所在地を明らかにできていないのが半分以上あると厚労省が答えました。厚労大臣、感染症対策どうされますか?
- (塩崎大臣)・・・特区のなかで一部認められていることについてもこれは保健所がキチットみるということになっています。したがって今後6月中に検討会の取りまとめを行う予定で最終報告書にまとめますけれども、それに当たってはやはり、民泊を行政の把握可能な状態に置く。
それはテロも感染症も当然、そしてまた安全性――泊まる方の安全性、さらにはご近所にご迷惑かけないかどうか、トラブルがないかどうか、全て考慮したうえで、正しい把握可能な状況に政策を決めていくことでありますから、委員ご指摘の感染症のトレースをすることは大変大事なことだと思って、このことも含めて、キチットした政策を作りたいと思います。
5月中に閣議決定するのか?
- (福山委員)厚労大臣がいま重要なことを言われました。「所在地を把握可能な状態にする」と。「それでやっていくんだ」と。そこまで条件整わないとやれないですからね。違法なまんまでは。今月中に閣議決定みたいな話がありますが、まさか今月中に閣議決定するようなことはありませんね?総理。
- (河野大臣)方向性を規制会議でしっかり答申をしていただくようお願いをしているところでございます。
- (福山委員)(そんなこと訊いてない)
- (議長)答えてください。(河野大臣)もう1回。
- (河野大臣)答申がいつになるか、閣議決定がいつになるか、決まっておりませんのでお答えすることができません。
雑感
- 河野太郎規制改革担当大臣の答弁を聞いていると、民泊問題に真摯に取り組んでいるのかどうか心配になってくる。
- 福山委員の質問に対して、正面から答えていないし(政治家の性か)、「シッカリ(4回)」「様々(5回)」「課題(5回)」「議論(6回)」 といった意味のない言葉が何回も登場する。
- 塩崎厚労大臣の「民泊を行政の把握可能な状態に置く」「把握可能な状況に政策を決めていく」という発言に注目したい。
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