5年ほど前から減少傾向にあった首都圏新築マンションの即日完売率。
15年9月以降1桁台にまで落ち込んでいた即日完売率が、4月には遂に1.0%にまで低下。
不動産経済研究所は5月18日、「4月の首都圏マンション市場動向」を発表。
首都圏新築マンションの発売単価は、上下動を繰り返すも、依然として上昇トレンドにあり、もはや庶民には手が出ないほどに絶望的な状況にあることは昨日のブログに記した。
同発表資料には、気になる情報も掲載されていたので紹介しよう。
4月の即日完売、たったの3件(20戸)!
4月に首都圏で供給された新築マンションは1,978戸。そのうち即日完売した物件は「3物件20戸」とされている。
即日完売物件(3物件20戸)
- ブランドン日本橋小伝馬町 1期
(中央区、13戸、平均9、292万円、平均1.4倍、最高4倍)- アトラス日暮里ウェストレジデンス 1期2次
(荒川区、4戸、平均5、940万円、平均1.3倍、最高2倍)- ソライェ船橋塚田 1期4次
(船橋市、3戸、平均3、568万円、平均1倍、最高1倍)
たった3件(20戸)しかない即日完売物件。
しかも、そのうちの1件(ソライェ船橋塚田)は3戸で、「平均1倍、最高1倍」となっている。
3戸発売したら、それぞれの住戸に1人ずつ応募してきて、全員が当選。「最高1倍」という無競争状態がどこか怪しげ。
急激に低下している即日完売率
そういえば最近、即日完売物件の数が減ってきたような気がする。
同発表資料には、即日完売率(=即日完売物件数÷発売戸数)のデータも掲載されているので、過去の発表資料をひも解き、即日完売率の変化を確認してみた(次図)。
即日完売率は、月により上下動はあるものの、5年ほど前から減少傾向にある。
15年9月以降は、1桁台にまで落ち込んでいる。
そして4月は遂に1.0%を記録!
もう少し見やすくするために、月間データを年間に集計し直したのが次のグラフ。
※16年は、1月から4月のデータ。
即日完売率は10年の13.3%をピークに低下傾向にあることが一目瞭然である。
16年(1月から4月の平均)は3.0%にまで低下しているのだ。
首都圏の新築マンション市況が異変をきたし始めている・・・・・・。