昨日のブログ記事では本邦初の「東京23区全域が俯瞰できるAirbnb物件の分布図」を紹介した。
本日は東京23区内で最もAirbnb物件が密集しているエリアを調査した結果を紹介しよう。
「本邦初!23区全域が俯瞰できるAirbnb物件の分布図」より
23区内で最もAirbnb登録物件が密集しているエリアはどこか?
東京23区のAirbnb物件密集エリアTOP20
東京23区全域を対象に、町丁目単位で行政面積当たりのAirbnb登録物件数を計算した結果を次表に示す。
TOP20は、新宿区と渋谷区で占められている。
渋谷区については、Airbnb登録物件はラブホテル街として知られる円山町に多いことを既に記した。
そこで本日は、新宿区について詳しく見てみよう。
新宿2丁目から大久保1丁目あたりにかけてAirbnb物件が集中している
Airbnb登録物件が集中しているのは、新宿区の西側エリア(次図)。
町名を加筆した次図を見てほしい。
ざっくり言うと、新宿1丁目から北西方向に大久保2丁目あたりまでのエリアに数多くのAirbnb物件が集中していることが分かる。
また、西新宿7丁目から百人町2丁目あたりまでのエリアにもAirbnb物件が密集している。
東京23区内で最もAirbnb物件が密集している新宿区で、何か問題は起こっていないのか?
新宿区が無法地帯になっている?
1月25日に開催された「第5回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会」で、新宿区が提出した資料(資料1-3:PDF)をひも解いてみよう。
3ページ目に「主な苦情内容」として、4つ紹介されている。
主な苦情内容
- 見知らぬ外国人が、短期(数日以内)に出入りし、常に不安である[全件]
- 深夜のドア開閉や共用部分での雑談など、昼夜を問わず騒音が絶えない[ほぼ全件]
- 本人居住の入居契約や住居目的以外は禁止の管理組合の規定に違反している[約半数]
- ゴミ分別せず退室日に出すことや、どこでも喫煙するなど生活ルール違反[約半数]
また4ページ目には「深刻な事例」として、4つ紹介されている。
深刻な事例
- 真夜中に、外国人宿泊客に傘を盗まれたり、植木鉢を割られるなどの被害を受けた。
- ナイフを持った外国人宿泊者が自宅敷地に入り、木を切っていたため警察に通報した。
- 中国人宿泊者が、自宅敷地に入り物干しに多くの洗濯物を干してしまうので警察に通報した。
- ハロウィンの日に日本人約30人が、夜中に大音量の音楽を流すなど騒ぐため、警察に通報し注意してもらった。
このような事態に対して、新宿区は次のように危機感を持っている(9ページ目)
新宿区は、様々な観光スポットや商業施設などが多く存在していることから、大勢の外国人観光客が訪れ、今後さらに増加が見込まれています。
こうした中、旅館業法の手続きを経ずに、無許可で自宅の一部や共同住宅の空き室などを活用して、宿泊サービスを提供するいわゆる「民泊サービス」の営業が横行している状況となっています。
当区においても、住民から「見知らぬ外国人の出入りの不安」や「昼夜を問わない騒音」など、施設や利用者側の問題に起因する苦情が、例年を大きく上回るペースで寄せられており、いわゆる「民泊サービス」の営業相談の件数も、増加しています。こうした近隣住民とのトラブルの他、感染症対応における支障や、テロリストの潜伏、違法薬物の取引など犯罪拠点となるおそれもあり、自治体として大きな危機感を持っています。(以下略)
とても同じ日本とは思えない。新宿が無法地帯になってないか。