総務省が2月26日に公表した「2015年国勢調査の速報値」を可視化分析したブログ記事「女性の割合が最も高い自治体はどこか?」が好評だったので、「世帯数」に係るデータについても可視化分析しておこう。
大家族の多い自治体はどこか?
逆に大家族の少ない自治体はどこか?
自治体ごとの「人口」を「世帯数」で割って「1世帯あたりの人数」を算出することで、「大家族」が多い自治体、少ない自治体を特定することができる。
横軸を「1世帯あたりの人数」、縦軸を「人口」として描いたのが次図。
「大家族」が多い自治体と少ない自治体に着目して、以下に整理してみよう。
「大家族」が多い自治体TOP10
「大家族」が最も多い自治体は、秋田県の大潟村(3.87人/世帯)。
上位4位までが東北地方の自治体だ。
- 1位:大潟村(秋田)3.87人/世帯(3,108人/797世帯)
- 2位:大玉村(福島)3.85人/世帯(8,684人/2,614世帯)
- 3位:大衡村(宮城)3.83人/世帯(5,705人/1,778世帯)
- 4位:色麻町(宮城)3.76人/世帯(7,240人/1,973世帯)
- 5位:川場村(群馬)3.75人/世帯(3,648人/997世帯)
- 6位:川北町(石川)3.70人/世帯(6,360人/1,846世帯)
- 7位:三川町(山形)3.61人/世帯(7,728人/2,219世帯)
- 8位:中島村(福島)3.60人/世帯(4,995人/1,394世帯)
- 9位:八重瀬町(沖縄)3.57人/世帯(29,084人/9,632世帯)
- 10位:聖籠町(新潟)3.56人/世帯(14,066人/4,312世帯)
ちなみに、大家族で育ったタレント上原美優(10人兄妹)の出身地、種子島の中種子町のランキングは1,739位(2.06人/世帯)。種子島が大家族が多いというワケではない。
なぜ、大潟村は「大家族」が多いのか?
大潟村の平均年齢(中位数)は、男性43.3歳、女性47.1歳。
絶対数は多くはないが、3つの年齢層(20歳前後、40歳前後、60歳前後)の人口が多いのが特徴だ(次図)。
大潟村の人口分布は、全国の人口分布(次図)と比べてかなり違う。
大規模な干拓で入植した歴史を背景に、近代的な大規模農業経営が行われていることと関係があるのだろうか――。
「大家族」が少ない自治体TOP10
「大家族」が最も少ない自治体は、奈良県の上北山村(1.41人/世帯)。
- 1位:上北山村(奈良)1.41人/世帯(510人/270世帯)
- 2位:青ヶ島村(東京)1.46人/世帯(178人/125世帯)
- 3位:西成区(大阪)1.50人/世帯(111,938人/69,401世帯)
- 4位:占冠村(北海道)1.53人/世帯(1,211人/709世帯)
- 5位:早川町(山梨)1.57人/世帯(1,070人/573世帯)
- 6位:三宅村(東京)1.57人/世帯(2,482人/1,483世帯)
- 7位:夕張市(北海道)1.59人/世帯(8,845人/4,526世帯)
- 8位:下北山村(奈良)1.60人/世帯(892人/517世帯)
- 9位:女川町(宮城)1.60人/世帯(6,334人/3,154世帯)
- 10位:箱根町(神奈川)1.61人/世帯(11,717人/6,080世帯)
上北山村は、奈良県南東部に位置する奈良県で二番目に面積が広い村。人口密度では奈良県内では最低。
上北山村の平均年齢(中位数)は、男性58.4歳、女性63.2歳。
山奥に位置し、地形も険しい山岳地帯である。過疎化と高齢化が進んでいる(次図)。
TOP10にランクインしているの多くは、過疎化と高齢化が進んだ地方の自治体だ。
ただ、大都市に位置する大阪市の西成区(1.50人/世帯)だけは様子が異なる。
「大家族」が少ないのは、かつて日雇い労働者の町として知られたこの自治体が単身の男性高齢者の割合が高いからなのであろう(次図)。
外国人人口の可視化情報にご関心のある方は、次をご参照。
あわせて読みたい
(本日、マンション広告なし)