国土交通省は2月26日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。
同レポートは比較的バイアスがかかっていない、新築マンションの市況を知り得る数少ない情報だ。
湾岸エリアのタワーマンションに興味のある方が多いので、月島、豊洲、有明など、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」をピックアップしておこう。
- 東京圏の地価はほぼ全ての地区で上昇
- 湾岸エリアの地価は上昇傾向が続く
- 【佃・月島】新築・中古ともにマンション分譲価格は上昇傾向が続いている
- 【豊洲】新築・中古ともに一次取得者層が購入できる限度額に近づいている
- 【有明】当面はマンション分譲価格の上昇が見込まれる
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東京圏の地価はほぼ全ての地区で上昇
東京圏(43)では上昇が 41 地区(前回 41)、横ばいが 2 地区(前回 2)となり、ほぼ全ての地区が上昇となった。
「平成27年第4四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」より
湾岸エリアの地価は上昇傾向が続く
月島、豊洲、有明などの湾岸エリアの地価は、過去1年以上上昇傾向が続いている。
「平成27年第4四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」を切り貼り
【佃・月島】新築・中古ともにマンション分譲価格は上昇傾向が続いている
- 都心部の湾岸エリア(豊洲、月島、晴海等)は、従来より都心への接近性等からマンション需要は根強く、東京五輪開催決定の影響もあって、分譲マンションの販売は好調に推移している。
- なかでも、月島エリアは複数の地下鉄によるアクセスが可能であり、銀座地区等の都心への接近性に優れ、供給も少なく稀少性があること等から、旺盛な取得需要を背景に、マンション分譲価格は上昇傾向が続いている。
- 建築費の高騰により、デベロッパーによる採算性の検証は厳格になっているが、マンション素地の取得意欲は強く、競合等により取引価格は上昇傾向にある。そのため、地価動向は引き続きやや上昇傾向で 推移している。
- 当地区は、東京五輪の開催決定以降、好調なマンション市況が続いている。中古マンションの取引も旺盛であり、相対的に築年の経過した物件も含め、高値取引が散見される。
- また、マンション開発素地については、品薄であることから目立った動きは見られないが、月島駅周辺等では複数の再開発案件が計画されている。そのため、強い取得需要と地区の更なる発展期待により、将来の地価動向は引き続きやや上昇傾向が続くと予想される。
【豊洲】新築・中古ともに一次取得者層が購入できる限度額に近づいている
- 湾岸部の分譲マンションに対する需要は依然として高い状況が続いている。
- 大型マンションの供給により買換えのための中古マンションが一時的に大量供給されたものの、当地区の住宅需要は旺盛であり購入層の取得意欲は強く、マンション価格の上昇傾向は続いている。
- 中古マンションの取引件数は以前に比べ減少しており、建築費上昇の影響からデベロッパーの採算性が厳しくなっているものの、東京五輪開催に伴う将来の開発可能性の増大による発展期待も相まって、デベロッパーによる素地の取得意欲は強く、地価動向は引き続きやや上昇傾向で推移した。
- 建築費の高騰及び強いマンション需要から新築・中古ともにマンションの価格は上昇しており、一次取得者層が購入できる限度額に近づいており、将来的にはマンション全体の取引件数は減少することが予想されるが、当地区は交通利便性が良好なことから住宅需要は旺盛で、当面は新築分譲マンションの価格は上昇することが見込まれる。
- このようにマンション需要は安定的であるため、マンション素地に対する稀少性も依然として高く、将来の地価動向はやや上昇すると予想される。
【有明】当面はマンション分譲価格の上昇が見込まれる
- 東京五輪の開催が決定して以降、湾岸部の分譲マンションに対する需要は新築、中古ともに旺盛であり、売出物件の増加や近年の価格上昇から販売価格は高値警戒感があるものの、当地区のマンション市況は依然として好調であり、マンション分譲価格は上昇が続いている。
- 建設費の上昇によりデベロッパーの採算は厳しくなっているが、好調なマンション市況のほか、五輪関連施設の建設や国際的な各種イベント施設等の開発可能性による発展期待も高まっており、デベロッパーによる開発素地の取得意欲は強く、取引価格は上昇傾向にあることから、地価動向は引き続きやや上昇傾向で推移した。
- 当地区及び周辺エリアにおける近年の価格上昇及び大量供給の影響により、マンションの販売価格は高値警戒感があるものの堅調な需要から当面はマンション分譲価格の上昇が見込まれる。
- また、上記のとおり、五輪関連施設の建設や地区計画により用途等の規制を定めることで住宅を中心に商業、文化等の多様な機能の誘導を行い、質の高いまちづくりが行われる効果等による発展期待が高く、開発素地の稀少性からもデベロッパーの強い取得意欲は継続し、取引価格の上昇が見込まれることから、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くことが予想される。
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(本日、マンション広告なし)