不動産情報ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「非正社員」への依存度が高い不動産会社はどこか?

東洋経済オンラインは2月22日、「非正社員の多い」トップ500社」を掲載した。
1位はイオンの24万7千人、2位は日本郵政の16万人。

パート、アルバイトや派遣で働く非正規労働者の数が高止まりしているという。


もくじ

掲載されている500社の中から主な不動産会社をピックアップしてみた。 

不動産会社の「非正社員数」ランキング

東洋経済オンラインでは、非正社員(臨時従業員)」と「従業員」という表現が用いられているのだが、「非正社員(臨時従業員)」は「従業員数」の外数であることの説明がない(有価証券報告書をひも解いてはじめて判る)。

分かりやすさを優先させるため、このブログでは「従業員」のことを「正社員」という表現に読み換えた(次図)。

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不動産会社の非正社員数のTOP7は次のとおりだ。

1位(全体では54位)は三井不動産の13,290人。

  • 順位:社名(非正社員、正社員、非正社員比率)
  • 1位(54位):三井不動産(13,290人、16,799人、44%)
  • 2位(98位):東急不動産H(9,309人、18,243人、34%)
  • 3位(125位):大京(7,382人、5,196人、59%)
  • 4位(204位):三菱地所(5,160人、8,388人、38%)
  • 5位(332位):野村不動産H(3,078人、6,029人、34%)
  • 6位(342位):住友不動産(3,026人、11,855人、20%)
  • 7位(348位):東京建物(2,982人、3,159人、49%)

不動産業界の非正社員の数は、500社のなかでは必ずしも多くないことが分かる。

「非正社員」の絶対人数ではなくて、「非正社員比率」に着目して、これら7社を分析してみよう。

7社の住宅分譲セグメントの「非正社員比率」の推移

東洋経済オンラインは2015年3月期のデータしか掲載されていないので、2008年以降の各社の「有価証券報告書」をひも解き、「非正社員」と「正社員」の人数を拾い上げ、非正社員比率(=非正社員÷(非正社員+正社員))を算定した。

各社の「有価証券報告書」には事業グメントごとの非正社員・正社員の人数が公開されている。

各社の事業セグメントは、三井不動産では「賃貸事業、分譲事業、マネジメント・・・」、東急不動産ホールディングスでは「都市、住宅、管理、仲介・・・」といったように、名称も区分も異なっている。

そこで、「分譲事業」とか「住宅」など、マンションや戸建ての住宅分譲に関係しているセグメントを「住宅分譲セグメント」と呼ぶことにする。

 

不動産7社の住宅分譲セグメントの「非正社員率」の推移を次図に示す。

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2015年3月期の住宅分譲セグメントの非正社員率でみると、不動産7社は次のように3種類に大別できる。

  • 社員の半数近くが非正社員:三井不動産(45%)、三菱地所(44%)
  • 社員の3分1強非正社員:東急不動産H(35%)、東京建物(35%)
  • 社員の1割程度が非正社員:野村不動産H(11%)、住友不動産(10%)、大京(6%)

それではもう少し詳しく各社の状況をみてみよう。 

三井不動産:分譲事業は非正社員に大きく依存している

「分譲事業」セグメントに係る社員は約2,500人。うち約半数が非正社員

同セグメントは、三井不動産レジデンシャル(連結子会社)が行っている戸建・中高層住宅等の分譲が対象。

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東急不動産ホールディングス:正社員から非正社員へシフト中

「住宅」セグメントに係る社員は約300人で変化はないが、非正社員率は年々上昇し2015年3月末は35%。正社員から非正社員へのシフトが進んでいる。

同セグメントは、東急不動産のマンション・戸建住宅等の分譲が対象。

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大京:7社のなかで非正社員率が最も低い

「不動産開発事業」セグメントに係る社員は年々減少していたが、14年・15年と2年連続で1,000人超に増加。非正社員率は概ね6%で推移。7社のうち最も非正社員率が低い

同セグメントは、マンションの開発・分譲およびそれに附帯する事業が対象。

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三菱地所:非正社員依存体質から脱却中?

「住宅事業」セグメントに係る社員は5,000人規模で推移いしていたが、2015年末に6,679人に急増。非正社員率は12年以降漸減し、15年末で44%。

同セグメントは、不動産販売事業(三菱地所レジデンス)のほか、住宅管理事業、注文住宅事業、余暇事業も対象。

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野村不動産ホールディングス:13年以降の非正社員率は前後10%

2013年3月期で数字が大きく変わっているのは、それまで「住宅」セグメントとして含まれていた「住宅管理」が、「住宅事業」セグメントから外れたことによる。

13年以降の「住宅事業」セグメントの社員は漸増し、15年3月末で1,225人。13年以降の非正社員率は前後10%

同セグメントは、マンション・戸建住宅等の開発分譲事業(野村不動産)、戸建住宅等のリフォーム工事等の請負(野村不動産リフォーム)、インターネット広告代理店事業(プライムクロス)が対象。

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住友不動産:社員数は年々増加するも非正社員率は概ね10%で推移

「不動産販売事業」セグメントに係る社員は年々増加し、2015年3月末で1,137人。
非正社員率は概ね10%で推移している。

同セグメントは、マンション、販売用ビル、戸建住宅、宅地等の開発分譲事業が対象。

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東京建物:社員数は漸増するも非正社員率は概ね35%で推移

11年で数字が大きく変わっているのは、セグメントの変更による影響である。

「住宅事業」セグメントに係る社員は11年以降、漸増し15年3月末で1,551人。
非正社員率は、11年以降概ね35%で推移している。

同セグメントは、マンション、戸建住宅等の開発・分譲が対象。

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まとめ

不動産業界の「非正社員」の数は、他業界を含む500社のなかでは必ずしも多くない。
「非正社員」の絶対人数ではなくて、「非正社員比率」に着目した大手不動産会社の特徴は以下の通り。

  • 三井不動産:分譲事業は非正社員に大きく依存している
  • 東急不動産ホールディングス:正社員から非正社員へシフト中
  • 大京:7社のなかで非正社員率が最も低い
  • 三菱地所:非正社員依存体質から脱却中?
  • 野村不動産ホールディングス:13年以降の非正社員率は前後10%
  • 住友不動産:社員数は年々増加するも非正社員率は概ね10%で推移
  • 東京建物:社員数は漸増するも非正社員率は概ね35%で推移

 

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