大田区で1月29日、全国初の「民泊条例」が施行になった。
初日の申請は2件。この2件は、法的にグレーなAirbnbとは一線を画す民泊仲介サイト「STAY JAPAN(旧称 TOMARERU)」を運営している「とまれる株式会社」による申請。
3回の説明会のうち、1月27日に実施された第1回目の説明会(定員100名)では、立ち見が出るほどの盛況。
第2回目(2/10)と第3回目(2/15)の定員はいずれも50名。区の担当者の見通しが甘く、第4回目(2/22)の説明会(定員100名)が追加される事態となっている。
このように大田区の民泊条例施行に注目が集まるなか、大田区Airbnbの登録件数の動きはどうなっているのか?
大田区Airbnbのアパート登録件数コンスタントに増加
昨年の6月から定点観測している大田区Airbnbの登録件数の推移をグラフにしてみよう。
※7月のみ定点観測していない。
2月1日現在の大田区Airbnb登録件数の合計は191件(前月比5.5%増)。内訳はアパート123件、一軒家62件、その他6件。
10月以降、一軒家の件数の伸びが止まったのに対して、アパート(Airbnbでは「マンション」とは表現しない)の件数はコンスタントに増加している。
なぜ、アパート登録件数のみ増加し、一軒家に登録件数は10月以降増加が止まっているのか?
これは、昨年の9月末頃から、大田区の民泊条例のマスコミ情報が増えたことで、一軒家を利用して新たに民泊を始めようとしていた人がいなくなったのに対して、マンション民泊で一儲けしようとしている人は、民泊条例施行による規制強化など眼中にないことを示唆している。
大田区は今後、申請してこない「民泊」を取り締まれるか?
「民泊条例」案に対するパブリックコメントで、条例の厳格適用については「条例が適切に運用されるよう事業者に対し指導してまいります」と区は回答している(大田区「民泊条例」のパブコメ結果を読み解く)。
大阪府の民泊条例もそうなのだが、罰則規定のない民泊条例で、大田区は区内の違法民泊を排除することができるのだろうか(機能するのか?罰則規定のない大田区「民泊条例」)。
今後、民泊申請してこないAirbnb登録物件に対して、大田区がいかにして条例を遵守させるのかが注目される。
大田区の大家さんは今後、どのように民泊と向き合っていけばいいのか?
民泊の規制緩和の動向を注視しながら、4択のなかから選んだスタンスで臨むことになるのではないだろうか。
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