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マンションの管理費・修繕積立金は3次元で負担割合を決めるのが合理的

日経の情報によれば、「マンション節税」に歯止めをかけるため、階によって評価額を増減するよう計算方法を見直すらしい。
高層マンションの20階は1階の10%増し、30階は20%増しといったかたちで一定の補正を行う案が有力とのことだ。

「マンション節税」防止 高層階、相続税の評価額上げ

総務省と国税庁は2018年にも、価格の割に相続税が安くて済む高層マンションを節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入った。

現在は階層や購入価格にかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を高層階に行くほど引き上げ、節税効果を薄める。高層階の物件は税負担が重くなる一方で、低層階を中心に負担が軽くなる人も出てきそうだ。
(中略)
総務省と国税庁は実際の物件価格に合わせ、階によって評価額を増減するよう計算方法を見直す。具体的な増減幅は今後詰める。

高層マンションの20階は1階の10%増し、30階は20%増しといったかたちで一定の補正を行う案が有力だ。(以下略)

(日経新聞 1月24日)

 

富裕層を優遇しているこの「マンション節税」の不公平な状況もさることながら、上層階住戸と低層階住戸の管理費・修繕積立金の専有面積当たりの金額が同じという状況も不公平ではないのか。

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そもそも、管理費・修繕積立金を専有面積の割合で負担する根拠法令はなんのなのか?

区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)の第14条(共用部分の持分の割合)で「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による」と規定されている。
さらに第19条(共用部分の負担及び利益収取)で「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」とされている。

つまりこれらの条文により、「規約に別段の定めがない限り」、専有部分の床面積の割合によって、管理費・修繕積立金が決まっているのだ。

 

上層階住戸と低層階住戸の管理費・修繕積立金の専有面積当たりの金額が同じという状況も不公平ではないのか?

水道を使うための配管は、高層階になるほど、その配管の長さは長くなるため、建設費(材料費+人件費)は高くなる。ただ、上層階の住戸ほど分譲単価が高いので、建設費(イニシャルコスト)に対しての不公平感は持ちにくい。

ところが、ランニングコストとなると違う。

揚水するためのポンプの維持管理費や、ポンプアップするための電気代は、高層階の住戸ほど高負担であるべきではないのか。

 

エレベータもそうだ。

極端にいえば、1階の住人はエレベータを使わないので(同じマンションの上層階の知り合いの住戸を訪問するなどは別として)、1階の住人がエレベーターの維持管理費や電気代を払うのは、受益者負担の原則に反している。

 

そのほかにも、何年かに一度実施される外壁の大規模修繕工事の費用。

外壁に掛ける足場だって、建物が高くなるほど費用が掛かる。
別の見方をすれば、高層階部分の足場は、中低層階部分に掛けてある足場とつながることで初めて機能するのだから、外壁の大規模修繕工事は、高層階の住人ほど多く払うように傾斜配分してもいいのではないのか。

 

管理費・修繕積立金は2次元(専有面積だけ)ではなく、3次元(階数も考慮して)で負担割合を決めるのが合理的だと思うのだが――

「マンション節税」防止のため階によって評価額を増減するというニュースを知って、高層階の住人は、良い眺望を得るために、管理費・修繕積立金についても相応の費用を負担するのが合理的ではないかと考えた次第。

ただ、すでに運営されているマンションで、階数に応じて管理費・修繕積立金の見直しを行うことは現実的ではない。

かといって、これから販売されるマンションについて、「別段の定め」として、階数に応じた管理費・修繕積立金の傾斜配分方式が採用される可能性も低いであろう。原始規約を作成するデベロッパーとしては、わざわざ寝た子を起こしたくないだろうから。

 

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