「9割以上は最初から検討に値しないものなのですが、現実によく売れているのは、そうしたダメ商品のほうなのです」
もう1つの理由は、セールスの圧力に晒されずに済むことです。銀行員、証券マン、生保レディ、いずれも侮ることのできない、個人資産の敵たちです。
たとえば、投資信託の9割以上は最初から検討に値しないものなのですが、現実によく売れているのは、そうしたダメ商品のほうなのです。
これは、ひとえにセールスマンの力と影響力が(売る側から見て)偉大であることによります。
金融マンの力と悪影響を軽視しないでください。セールスマンと話さずに済むことこそ、ネット証券の最大の長所です。
ネット証券だとセールスの圧力に晒されずに済むという、銀行やリアル店舗の証券会社の社員が聞いたら目をむきそうなストレートな物言いが、本書が多くの読者からの支持を受けている。
ベストセラーになっている山崎元氏と水瀬ケンイチ氏の共著「全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)」の「なぜネット証券がいいのか」(P52)からの抜粋である。
スーモカウンターのアドバイザーは、相談者よりもクライアント(広告主)の利益を優先することはないのか?
なぜ、冒頭からネット証券の話を持ってきたのかといえば、今週のSUUMO(スーモ)首都圏版1月19日号に記載されている「スーモカウンター」の記事を見たからだ。
マンション購入の不安や悩み、スーモカウンターが解決します!
- 家さがし。何からはじめていいのか分からない
- まだ家を買うかどうかも決めていないんだけど・・・
- 夫があんまり乗り気じゃなくて・・・
- 小さな子どもがいると、落ち着いて家さがしをするのって難しいんです
- ローンとか、構造とか、正直分かりません
- 漠然とでいいから、詳しい人に相談したい
スーモカウンターのアドバイザーは、相談者よりもクライアント(広告主)の利益を優先することはないのか?
SUUMOの記事には次のように記されてはいる。
中立舞な立場でサポート。デメリットも伝えます
アドバイザーは実際に現地に足を運んだり、アドバイザー同士で各物件の情報交換をしたりなど、数多くの物件の特徴を把握しています。
それを、優先する条件に合わせて、分かりやすく説明。
不動産会社ではなく、あくまでも中立的な立場なので、あなたにとって「デメリット」になる点があればお伝えします。
中立的な立場なので、デメリットも伝えるという。
「まだ家を買うかどうかも決めていないんだけど・・・」という相談者に対して、「首都圏の分譲価格は、13年以降上昇し続けていますよ」なんて警鐘を鳴らしてくれることはあるのだろうか。
「首都圏の新築マンション市場動向(2015年)を見える化」より
「今は買い時ではないのでお止めになったほうがいいですよ」なんて応えてくれるのだろうか(いま、マンションを買うべきか? - マンション・チラシの定点観測)。
「スーモカウンター利用規約」をひも解いてみた
12. 本サービスは、事業者が当社に支払う広告・販売促進費等により運営されているため、当社は、ユーザーからサービス利用料等の費用をいただくことはありません。(以下略)
広告主の販促費がスーモカウンターのアドバイザーの給与の源泉。利益相反することはないのか? 中立な助言が可能なのか?
17. 本サービスのご利用にあたっては録音禁止とさせていただきます。ユーザーがこれに違反した場合、当社は、今後、ユーザーへの本サービスの提供を中止させていただくことがあります。
録音されてマズイことでもあるのか?
3. (前略)当社は、本サービス提供後であっても、ユーザーの本サービスに関するご意見、事業者との商談状況、およびユーザーの物件検討の状況を把握するために、ユーザーに対して任意に電話連絡等をさせていただくことがあります。かかる電話連絡等は当社の権利であって義務とは解されないものとします。
なお当社は、電話連絡等によって把握したユーザーの個人情報およびその他の情報を事業者へ提供することがあります。
ユーザーへの「電話連絡等」は当社(リクルートホールディングス)の権利だという。「等」なかには、メール連絡だけでなく、自宅への訪問も含まれているのであろうか。
また、電話連絡等によって把握した個人情報を事業者へ提供することを許諾してしまっている。スーモカウンターの「無料」相談に出かけた結果、セールス攻勢に悩まされることはないのか。
「セールスマンと話さずに済むことこそ、ネット証券の最大の長所」に倣って、ネット情報を主体とした「素人でもできるマンション選びのコツ」をまとめておいたので参考にしていただければ幸いだ。
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