NHKが12月10日に放送した「所さん!大変ですよ」で、苗場の激安リゾートマンションに移住者が増えている状況がレポートされていた。
バブル時代の遺物ゴーストマンションが売れに売れているお値段50万円で移住者続出
舞台は新潟県湯沢町。バブル期に多くのリゾートマンションが建設されたが、バブルが弾けると売買が行われなくなり、地元民にはゴーストマンションと呼ばれるように。だがここ5年で、そうしたマンションがなんと1000戸以上売れているという。
湯沢町のリゾートマンションが売れており、中でも苗場地区ではここ5年で住所を置く人が倍増したという。
2部屋で70万円ほどで買えるといい、公務員を退職した男性が購入。また、画家の男性は妻と別れて5年前に越してきた。100万円なら買えなかったが50万円だったので飛びついたという。年金などを頼りに苗場での暮らしをスタートさせた。
(以下、省略)
(アメーバニュース 12月12日)
番組では、ディレクターが移住者4名のマンションに上がり込んでの直撃インタビュー。
人には言いづらい理由を抱えた移住者たち
4人とも人には言いづらい理由を抱えた移住者であることを、司会の 所ジョージ・久保田祐佳アナウンサーやゲストの4人(澤口俊之・牛窪恵 ・モーリー・ロバートソン)が面白おかしく伝えていた。
(1)元公務員(横浜市水道局員)66才
妻を東京に残して、「30年遅れのバブル生活」を満喫している元公務員(横浜市水道局員)66才。夏はゴルフ、冬はスキーを楽しむ。
52m2・2DKを60万円で購入。2戸目は10万円で購入したという。
(2)60代の男性画家
60歳で妻と熟年離婚。5年前に東京から移り住んだ貧乏画家。
43m2・1LDKを50万円で購入。
それまで、生活費は妻に頼っていた。
意外に高い管理費や修繕積立金が負担だという。
(3)60代女性
6年前に2DKに移り住んできた60代女性。
夫は東京で会社を経営。”熟年別居”状態。
マンション購入費は息子が、生活費は夫が負担しているという。
(4)大阪から移り住んできた男性
会社の同僚とうまくいかなくなり、20年務めていた会社を辞め、大阪から移り住んできた男性。
51m2・1LDKを19.1万円でネット落札。
出費を切り詰めるため、冬でも暖房を使っていない。
前の住人が置いていった荷物、布団を利用しているという。
所さん!激安マンションは売るに売れない”ババ抜きマンション”ですよ
60代の男性画家が「50万円だから飛びついたけど、私の財産だと100万だったら買えなかったね」「意外に高い管理費や修繕積立金が負担」という発言。
激安リゾートマンションには、永遠に払い続けなければならない管理費や修繕積立金もついているというのが激安たるゆえん。
激安マンションに飛びついた後、管理費や修繕積立金の負担が大変なことや、売るに売れない”ババ抜きマンション”であることまでは、放送では伝えていなかった(全国で最も安い中古マンションは、10万円の”ババ抜きマンション”)。
苗場の中古マンションは10万円!
Yahoo!不動産サイトで「苗場」で検索すると、4件の中古マンションが表示される。
4件のうち2件の価格は10万円。
それぞれ、次のように管理費・修繕積立金が掛かる。
- 西武ヴィラ苗場3号館(9,200円/月・2,300円/月)
- 西武ヴィラ苗場7号館 (13,700円/月・2,100円/月)
さらに、水道基本料も毎月1,360円掛かる。
管理費・修繕積立金・水道基本料を年間にすると、3号館で154,320円、7号館で205,920円。
なんとマンションの購入価格よりも高い。
苗場のマンションは所有しているだけで年間十数万円の費用が掛かる。あと固定資産税も。
だから、苗場の中古マンションのオーナーはタダでも売りとばしたいのだ。
そのうえ、7号館のほうは、「購入時の別途必要費用 (購入時一時金)」と「特別積立金 120,000円」が必要とされている。