土地総合研究所が11月19日、「不動産業業況等調査結果(平成27年10月実施)」を発表。
「住宅・宅地分譲業」についての調査結果は次のように記されている。
- 「用地取得件数」の指数は、前回から 36.1ポイント上昇し 6.1ポイントとなった。
- 「モデルルーム来場者数」の指数は、前回から 24.5ポイント上昇し 3.1ポイントとなった。
- 「成約件数」の指数は、前回から 10.6ポイント上昇し 0.0ポイントとなった。
- 「在庫戸数」の指数は、前回から 2.5ポイント低下し 30.3ポイントとなった。在庫戸数が減少傾向にあるとの見方が多い。
- 「販売価格の動向」の指数は、前回から 3.8ポイント低下し 52.9ポイントとなった。平成24年7月以降、販売価格が上昇したとする回答が、下落したとする回答を上回っている。
「モデルルーム来場者数」「成約件数」のそれぞれの指数が3か月前と比べて上昇し、「在庫戸数」は減少傾向にあるという。
「住宅・宅地分譲業」は上向いているような書きっぷりだ。ただ、これはあくまでも3か月前と比べての話だ。
長期的な傾向を探るべく、平成16年4月から平成27年10月(今回発表)までの「販売価格の動向(指数)」「成約件数(指数)」「モデルルーム来場者数(指数)」データをグラフ化してみた。
折れ線の動きが激しくて、分かりにくい。
近似曲線(多項式近似)を重ねてみた。
今度はゴチャゴチャしすぎて分かりにくい。
近似曲線(多項式近似)だけを表示してみた。
かなりスッキリした。
このグラフから長期的なトレンドとしては、 次のようなことが言えるのではないか。
- 「販売価格」は、9年程度の周期のピークが下降トレンドに入り始めた。
- 「モデルルーム来場者数」と「成約件数」は、「販売価格」とは逆に、上昇の兆しを見せている。ただし、それらの勢いは弱々しい。
今回のデータは10月1日時点までもの。
マンション傾斜・杭工事データ偽装事が大きく報じられたのは2015年10月14日だから、上記のグラフには反映されていない。
3か月後の「住宅・宅地分譲業」の経営状況の見通しについて、「前期から 6.5ポイント悪化の ▲1.5ポイント」になるという。
次回の2月中旬に発表される「平成28年1月」のデータが待たれる。
この調査は、毎四半期(1月、4月、7月、10月)、三大都市圏と地方主要都市で不動産業を営む業者を対象に、郵送またはEメールにてアンケート形式で実施されている。
各指数(販売価格の動向、成約件数、モデルルーム来場者)の定義は次のとおり。
- {増加(上昇)したとする回答数-減少(下落)したとする回答数}÷全回答数×100
- 「横ばいである」「変わらない」の回答は、0として算定