Airbnbの現在の日本の市場規模はどれくらいなのか?
これまで筆者が独自に調査してきたデータをもとに推計してみた。
平均宿泊料金を推定する(23区)
Airbnbサイトで「渋谷区」「貸切」「宿泊人数1人」を条件に検索すると平均値として、10,902円(10月17日現在)と表示される(次図)。
なお、この10,902円には、清掃費は含まれていない。
同様の操作で、各区の1泊1人当たりの平均宿泊料金(清掃費等は含まない)を調べ、まとめたのが次表である。
23区の単純平均は約7千円(1人1泊。清掃料金を含まない)となった。
清掃料金・稼働率・登録物件数を推定する(23区)
清掃料金は、ピンキリ的なところもあるので、これまでAirbnb物件を多数調査した筆者の経験を踏まえ、1回あたり5,000円程度とする。
外国人が1か所に宿泊するのは平均約2日なので(「国民の多くがまだ気づいていない「民泊」の真実」より)、推計上は、2泊3日でゲストが出ていった後に1回清掃するとして、ゲストが支払う清掃費は1泊当たり2,500円(=5,000円÷2泊)とする。
稼働率は、筆者の独自調査により9割超であることが分かっているので(渋谷区Airbnb 平均稼働率は9割! )、控えめに90%とする。
東京23区のAirbnb登録物件数は、11月1日時点で7,862件なので(鈍化!東京23区Airbnb市場動向(2015年11月))、約8,000件とする。
東京23区のAirbnb市場規模は250億円
上記で設定した数値をもとに、東京23区のAirbnb登録物件の年間売上高を推計する。
(利用料+清掃費)×登録物件数×365日×稼働率
=(7,000円+2,500円)×8,000件×365日×0.9
=249億6,600万円
≒250億円
東京23区のAirbnb市場規模は250億円となった。
では、日本全国ではどれくらいになるのか?
日本のAirbnb市場規模は400億円
日本全国の登録件数は1万8千物件とされている(役所の会合で熱い論戦?Airbnb vs 百戦練磨)。
利用料、清掃費、稼働率は東京ほど高い数字は望めないだろうから、東京の50%とかなり控えめに見積もることとする。
日本Airbnb市場規模
=1万件の市場規模(東京23区以外)+8千件の市場規模(東京23区)
=[(7,000円+2,500円)]×1万件×365日×0.9×0.5(東京23区以外)+250億円(東京23区)
≒150億円(東京23区以外)+250億円(東京23区)
=400億円
日本のAirbnb市場規模は400億円!
ただし、1部屋に2人以上宿泊した場合の割り増し料金を考慮していないとか、全国の利用料・清掃費・稼働率を東京の半分に想定したことに加え、Airbnbの登録件数がまだまだ増加していることなどから、日本のAirbnb市場の大きさが400億円というのはかなり控えめに想定した数字である。
ちなみに、Airbnbの収入(ホスト手数料)は売上高の3%とされているので、Airbnbが日本で得られる収入は約12億円。
この12億円に係る税収は、日本に収められているのだろうか?
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