先月に続き、今月も東京23区Airbnb市場動向をまとめてみた。
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東京23区のAirbnb登録物件数の伸びが鈍化
11月1日時点の東京23区のAirbnb登録物件数の合計は7,862件。
7,862件の内訳は、アパート6,406件、一軒家1,172件、B&B(bed and breakfast)85件、その他199件。
先月(7,706件)と比べて156件(2.0%)の微増にとどまった。
※7月は調査を実施していない。
Airbnb登録物件数は1位渋谷区、2位新宿区、3位港区
23区の内訳をみると、先月と同様、渋谷区(1,466件)、新宿区(1,311件)、港区(922件)の登録物件数の多さが際立っている。
その大半はアパートである(Airbnbでは「マンション」とは表現しない)。
渋谷区と新宿区のAirbnb登録物件数が減少
区ごとのAirbnb登録物件数の推移をみると、上位3区のうち、渋谷区と新宿区の件数が減少に転じていることに気付く。
10月29日に調査した大田区Airbnbの登録件数も10月に入って伸びていないのが気になっていたところだ(次図)。
何度もデータをチェックしてみたのだが、渋谷区や新宿区のAirbnb登録物件数が若干減少していることに間違いはなさそうだ。
渋谷区と新宿区で急増していたAirbnb登録物件数にブレーキがかかったのはなぜか?
Airbnb登録物件数の伸びが鈍化した原因
大田区だけでなく、渋谷区や新宿区のAirbnb登録物件数の伸びにブレーキが掛かった主な原因としては以下の3つが考えられる。
(1)大阪府や大田区で「民泊条例」の制定が進んでいること
これらの「民泊条例」が施行されると(大田区は来年1月の施行を目指している)、大田区では滞在日数7日未満の貸し出しや部屋面積が25m2に満たないAirbnb登録物件は全て違法になる。
民泊条例が施行されない大田区以外の区では、繰り返し有料で部屋貸しすることが旅館業法違反であることがより明確化される。
というように、法令違反リスクが顕在化する可能性が高まってきたことから、これまでAirbnbに飛びついていた「わか大家さん」がAirbnbへの登録を躊躇するようになっているのではないのか。
(2)マンション管理規約へのAirbnb排除条項追記の動き
マンションの資産価値の維持に関心の高い住民が多く住む管理組合では、管理規約にAirbnb排除条項を追記する動きがある。
管理組合からのプレッシャーを受けて、にわか大家さんが部屋貸しをやりにくくなったのではなのか。
ただ、Airbnb排除条項が万能でないことは、「管理規約でマンションからAirbnbを排除できるか 」に記したとおりだ。
(3)収益性の高い物件を選別してAirbnbに登録する動き
そもそも高い家賃が取れない賃貸物件では、Airbnbに登録しても高い収益性は望めない。
お腹が一杯になり始めた一部のAirbnb代行業者は、高い収益性が見込めない物件の持ち込みをやんわりとお断りしているという。
以上の記事は、Airbnbサイトで公開されている情報をもとに、筆者独自の方法で収集・分析した結果によるものである。
データの収集・分析には細心の注意を払っているが、万が一エラーが含まれていた場合にはご容赦ください。
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【これまでの”定期観測”記事】
- 2015-11-01 京都市長がしっかりと協議したいと言っている間にも、Airbnb登録物件増加中
- 2015-10-30 大田区Airbnb 投資型7割、ホームステイ型2割
- 2015-10-11 実態調査結果発表!大田区内のAirbnb登録全物件
- 2015-10-09 金沢市Airbnb物件 「モグラたたき」のその後
- 2015-10-02 東京23区Airbnb市場動向(2015年10月度)
- 2015-09-02 Airbnb登録物件数、新宿区が渋谷区に迫っている
- 2015-08-04 都は対応を急げ!23区Airbnb登録物件数が爆発的に増加
- 2015-06-03 Airbnb登録物件数 渋谷区がダントツ
(本日、マンション広告なし)