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マンション傾斜・偽装問題における日立ハイテクノロジー社とは

昨日のブログ記事「マンション傾斜・偽装問題の違和感」に対して、「日立ハイテクノロジーは杭工事の管理ができるのか?」といった趣旨の質問を頂戴した。


もくじ

ネットに公開されている資料から、事実関係のみ確認してこう。

杭工事の1次下請けである

日立ハイテクノロジー社は、今回問題となっているマンションの杭工事の1次下請けである(次図)。

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「横浜市のマンション傾斜問題」 7人のプレーヤー」より

 

同社が当該杭工事の1次下請けであったことは、10月15日にリリースされた「当社請負杭工事の不具合に関するお知らせ」で確認できる。

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ただ、直近の有価証券報告書(平成26年度)を見ても、4つの事業セグメントのどこに杭事業が含まれているのかまでは分からない。

  • 電子デバイスシステム
  • ファインテックシステム
  • 科学・医用システム
  • 産業・ITシステム
  • 先端産業部材

 

日立ハイテクノロジー社は杭工事を請け負うための法的資格を有していたのか?

3種類の工事で建設業の許可を受けている(平成26年3月31日現在)

1次下請けといえども、請負金額500万円以上の杭工事を行うためには、建設業の許可を受けている必要がある。

そこで、建設業情報管理センターのホームページに公開されている「経営事項審査結果」から、同社の「経営規模等評価結果通知書」(平成26年3月31日)の内容を確認してみよう。

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「経営規模等評価結果通知書」に記載された内容から、日立ハイテクノロジー社は、次の3種類の工事で建設業の許可を受けている過去2年、完成工事高を上げていることが分かる。

  • 電気工事
  • 管工事
  • 機械器具設置工事

どちらかといえば、電気・機械設備工事の施工を行うための資格だ(建設工事の内容、例示、区分の考え方一覧 | 国土交通省ガイドライン・マニュアル

 

建設業許可の28業種のうちの「建築工事業(建築一式)」や「とび・土工工事業」の許可は受けていない。

 

ちなみに、「経営規模等評価結果通知書」に記載された各工事の完成工事高(2年平均)は次図のとおり。

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今回問題となっている杭工事は、電気工事や管工事の資格では請け負えないだろうから、機械器具設置工事(2年平均完成工事高は5,500万円、技術職員数3名)の資格で請け負っていたのか?

経営規模等評価結果通知書の左側の欄を見ると、日立ハイテクノロジー社は、杭工事に必要な「建築一式」に対して「特」(=特定建設業)の許可を取得していることが確認できる。

 

ただ、この建設業許可の内容は平成26年3月31日時点のデータ。当該マンションの杭工事の偽装が行われた時期のものではない。

当時は「建築工事業(建築一式)」か「とび・土工工事業」の許可を受けていたのか?

 

杭工事における日立ハイテクノロジー社の具体的な役割は?

これについては、客観的に判断できる公の資料が見当たらない。

マスメディアの取材に期待するしかないであろう。 

(本日、マンション広告なし)


【追記10月26日(お詫びと訂正)】

経営規模等評価結果通知書の左側の欄「許可区分」を見落としていました。

日立ハイテクノロジー社は、「建築一式」に対して「特」(=特定建設業)、「とび・土工・コンクリート」に対して「般」(=一般建設業)などの許可を取得しています。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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