不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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億ションは増えているのか?

10月8日、西日本で最高価格となる7億円超のマンションが供給されるというニュースが飛び込んできた。

鴨川に面した地上5階・地下1階建、総戸数85戸(事業協力者住戸10戸含む)の低層マンション。完成予定は1年5か月後(2017年3月中旬)。

「京の風情と調和するフラッグシッププロジェクト」のマンションとはいえ、7億円超のマンションを自宅として購入する人などいるのだろうか?


もくじ

7億円も出せば、豪邸が建てられるぞ!

では別荘として購入するのか?
いやいや、7億円も出して別荘として購入するくらいならば、京都ホテルオークラ京都ブライトンホテルハイアットリージェンシー京都ザリッツカールトン京都といった五つ星ホテルに泊まったほうが、快適ではるかに安くつく。


週7日、8時から18時まで、英会話対応可能なコンシェルジュが配置されるということになっているので、最初から外国人の投資を目的とした購入を期待してのプロジェクトなのであろう。

化粧品や紙オムツの爆買いと違って、マンションは後々まで影響が及ぶ。
京都の風情を外国人に切り売りする7億円の億ション
遂にバブルもここまで来たか――。


実際のところ、「億ション」の供給戸数は増えているのか?

23区の新築「億ション」トップ30

SUUMO(スーモ)で調べると、都内で新築マンションとして登録されているのは全部で433物件(10月12日現在)。そのうち1億円以上の億ションは30物件(価格未定物件と掲載ダブり物件を除く)。

億ションといっても、1億円台が多い。
販売価格が3億円を超える億ションは3物件で、これらの坪単価はいずれも700万円を超えている(次図)。

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具体的な物件を坪単価の高い順に並べると、次のとおりだ。

トップ10までは坪単価600万円以上となっている。

  • 1位:THE CONOE(コノエ)〈代官山〉【968 万円/坪】45,500 万円/155.07m2
  • 2位:クレストプライムタワー芝【850 万円/坪】41,500 万円/161.16m2
  • 3位:グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー【779 万円/坪】26,500 万円/112.32m2
  • 4位:パークコート渋谷大山町 ザ プラネ【758 万円/坪】36,900 万円/160.69m2
  • 5位:Brillia(ブリリア) Towers 目黒【651 万円/坪】18,800 万円/95.28m2

  • 6位:パークシティ大崎ザ・タワー【637 万円/坪】18,800 万円/97.47m2
  • 7位:パークマンション赤坂氷川坂【631 万円/坪】17,980 万円/93.98m2
  • 8位:ジオ赤坂丹後町【617 万円/坪】15,000 万円/80.22m2
  • 9位:ミッドタウンコンド四谷【603 万円/坪】12,300 万円/67.26m2
  • 10位:麻布メゾン【600 万円/坪】14,580 万円/80.17m2

  • 11位:勝どきビュータワー【599 万円/坪】19,650 万円/108.26m2
  • 12位:サンウッド代々木公園【598 万円/坪】15,500 万円/85.58m2
  • 13位:プレミアスイート外苑の杜【566 万円/坪】12,380 万円/72.15m2
  • 14位:プラウド人形町【560 万円/坪】12,600 万円/74.3m2
  • 15位:アウルタワー【549 万円/坪】13,340 万円/80.18m2

  • 16位:品川タワーレジデンス【541 万円/坪】11,698 万円/71.34m2
  • 17位:インペリアルガーデン【540 万円/坪】14,800 万円/90.45m2
  • 18位:ブランズ牛込神楽坂【535 万円/坪】17,600 万円/108.58m2
  • 19位:THE IMPERIAL GARDEN LIMITED RESIDENCE (インペリアルガーデン)【474 万円/坪】12,980 万円/90.32m2
  • 20位:ヴィークステージ桜新町【465 万円/坪】11,690 万円/82.88m2

  • 21位:パークシティ大崎ザレジデンス【461 万円/坪】10,300 万円/73.68m2
  • 22位:富久クロスコンフォートタワー【458 万円/坪】10,480 万円/75.59m2
  • 23位:ザ・パークハウス 三鷹櫻邸【420 万円/坪】10,500 万円/82.5m2
  • 24位:ドレッセ碑文谷【418 万円/坪】10,800 万円/85.17m2
  • 25位:ザ・パークハウス 西新宿タワー60【410 万円/坪】11,500 万円/92.62m2

  • 26位:パークホームズ豊洲ザ レジデンス【386 万円/坪】10,290 万円/87.9m2
  • 27位:ジオ等々力【342 万円/坪】10,500 万円/101.23m2
  • 28位:ジオ経堂 【332 万円/坪】10,400 万円/103.25m2
  • 29位:デュフレベース世田谷赤堤【300 万円/坪】11,700 万円/128.81m2
  • 30位:デュフレベース成城【289 万円/坪】12,640 万円/144.45m2

 

SUUMOに掲載されていた23区の新築マンション433物件のうち、億ションは30物件だから、約7%が億ションということになる。

不動産経済研究所のデータを使って、新築「億ション」の供給戸数をもう少し詳しく調べてみよう。

「億ション」の発売戸数は毎月30~100戸程度

不動産経済研究所が毎月発表している「首都圏のマンション市場動向」の資料のなかに、23区で発売された価格帯別戸数のデータが掲載されているので、昨年度以降のデータをグラフ化してみた(次図)。

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昨年度以降では、2015年7月が億ションの発売戸数が突出している。435戸のうち、1億円台が390戸、2億円台が38戸、3億円以上が7戸となっている。

この2015年7月を別にすれば、億ションは毎月30~100戸程度発売されていることが分かる。

全体の発売戸数に占める億ションの割合は、3~6%といったところだ。

 

次に、億ションを含む、23区の新築マンションの発売価格帯を俯瞰してみよう。

新築マンションの供給戸数は、5,000万円超の割合が高い

不動産経済研究所の資料から、東京23区の新築マンション発売戸数の価格帯の推移をグラフ化してみた。

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今年度に入ってからの23区の新築マンションの供給戸数は、5,000万円超の割合が高くなっていることが分かる。
庶民にとって、なかなか手が出しにくい価格帯だ。

いつまでもこのようなバブリーな状況が続くはずはない。

今は我慢のしどころであろう(いま、マンションを買うべきか?)。

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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