約1年前に、このブログで「中古マンションの相場を知るための厳選サイト(まとめ)」を紹介した。
最近は、具体的な中古マンションの価格がピンポイントで分かるというサイトが出てきた。
サイトによって、中古マンションの相場に違いはあるのか調べてみた。
住まいサーフィン(沖式中古マンション時価)
まずは、いまや老舗サイトとなっ住まいサーフィン(2004年4月開設)。
同サイトが2011年9月から無料公開している「沖式中古マンション時価」で、「パークタワー東雲(2014年1月竣工、総戸数 585戸)」の中古価格を調べてみた。
なお、調査対象物件として「パークタワー東雲」を選んだことに、特に他意はない。数年前に竣工したタワーマンションが多いエリア「東雲」をキーワードにして「マンションマーケット」(後述のサイト)で検索したところ、一番最初に表示されたのが「パークタワー東雲」であったというだけの話。
パークタワー東雲の中古の単価は83万円/m2(事例数:24件)となっている。
沖式中古マンション時価の算出方法については、「沖式中古マンション時価の特徴と使い方」参照。
沖式中古マンション時価を閲覧するためには会員登録(無料)が必要。
マンションマーケット(ネットなどに掲載された売出事例)
次に、2015年8月17日に開設された、マンション売却サービス「マンションマーケット」を使って、同じ物件の中古価格を調べてみた。
「マンションマーケット」の中古の単価は81万円/m2(事例数:17件)。
住まいサーフィンの83万円/m2に対して、2万円ほど安い。
「マンションマーケット」の算出方法は、レインズのデータを利用しているわけではない。インターネットやその他媒体に売り出された事例(売出事例)を収集して掲載している。
成約した価格の事例(成約事例)ではないため、実際の成約価格とは乖離することもあるが、「相場情報」として成約価格に近づくようアルゴリズムを調整しているという。
IESHIL(ヘドニック法)
インターネットメディア運営会社の(株)リブセンスが先月末(8月末)に開設したIESHIL(イエシル)β版を利用して、同じ物件の中古価格を調べてみた。
IESHILの「市場価格」は「3,187~6,777万円(55.37m2~90.35m2)」と表示された。m2単価に換算すると58~75万円。
住まいサーフィンの83万円(事例数:24件)やマンションマーケットの81万円(取引事例:17件)と比べるとかなり安い。
IESHILでは、同物件の4階の8戸の市場価格も閲覧できる(次図)。
8戸の平均単価を計算すると62.9万円/m2。それでも他の2つのサイトの単価より安い。
この62.9万円/m2は、4階だけの相場なので、全フロアの平均相場だともう少し異なる値になるのかもしれない。
IESHIL(イエシル)の算出方法は、「ヘドニック法」をベースに、独自の説明変数や数値化した地域特性を加えて改良した、機械学習によって算出されている(特許出願済)という。
まとめ
最近、具体的な中古マンションの価格がピンポイントで分かるというサイトが出てきた。でも、サイトによって表示される価格(中古マンションの相場)は、けっこう異なっている場合がある。
それぞれのサイトが独自に開発したアルゴリズムを用いて算出した結果だから、多少の違いはやむなしとしよう。
自分のマンションを売却するときの査定にしても、業者のいいなりにならなくてもいい。
かつてのように具体的なマンションの中古の相場がまったく分からなかった時代に比べれば、消費者は売主と売買交渉するための強力な武器を手に入れつつあるのだ。
あとは、営業マンのいいカモにならないことが肝要(中古マンションを買う人が知っておくべき営業マンの掟破りのテクニック)。
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