不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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3分で分かる!日本における"Airbnbの実態"

Airbnb(エアビーアンドビー)は、2008年8月にカリフォルニア州サンフランシスコで始まった、空き部屋を短期間で貸したい人(ホスト)と旅行者(ゲスト)を仲介するサービス。
世界190か国34,000以上の都市で展開されている。

日本では、13,000件以上の物件が登録されて、2014年と比べて伸び率は3倍以上、訪日外国人の利用者は4倍のペースで増えているという。

でも、その実態は日本では、まだあまり知られていない。

マンション住人が知っておいたほうがいい、Airbnbの実態を一問一答形式でまとめてみた。

(もくじ)

Airbnb登録物件が多い都道府県はどこか?

賃貸アパート(Airbnbではマンションとは表現しない)の登録件数の全国に占める割合は東京・神奈川・大阪が高く、一軒家のそれは東京・京都・大阪府が高い。

賃貸アパート、一軒家のいずれも都内の登録件数が最も多い(次図)。

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8月3日現在:「都は対応を急げ!23区Airbnb登録物件数が爆発的に増加」より

Airbnb登録物件が多い区はどこか?

Airbnbに登録されている物件数は渋谷区がダントツの1位。
2番目に多いのが新宿区、3番目が港区。

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6月2日現在:「Airbnb登録物件数 渋谷区がダントツ」より

 

Airbnbで住戸を貸し出すことは法的に問題ないのか?

日本では繰り返し貸して、ある程度の利益を得ているAirbnbのホストは「旅館業法」に抵触する可能性が高い、と多くの弁護士が指摘している。
なかには、Airbnbの「旅館業法違反の幇助」にあたる可能性を指摘する弁護士もいる。

詳しくは、「法令違反リスクを負うのはホスト!Airbnbではない 」参照。

 

Airbnbで住戸を貸し出した場合、どのようなトラブルがあるのか?

 海外のAirbnbでは、乱痴気パーティーで部屋がメチャメチャにされた事例(カナダ)や、貸した部屋がいつのまにか売春宿になっていた事件(オーストラリア)などが報告されている。

詳しくは、「Airbnb 海外の信じがたいトラブル事例 」参照。

 

Airbnbを排除するために管理規約をどのように改定すればいいのか?

ブリリアマーレ有明(33階建て、総戸数1,085戸、2009年3月竣工)の管理組合が8月2日に公表したAirbnb禁止条項が参考になる(日経ビジネスの取材を受けました&Airbnb等を利用した貸し出しの禁止を定めた管理規約第12条4~7項を公開します)。

Airbnb禁止条項のポイントは、Airbnb住戸に対して、「中止請求権」「利用状況照会権」「立ち入り調査協力請求権」を理事長に認めていることだ。

詳しくは、「マンション管理規約 Airbnb禁止条項のポイント」参照。

管理規約を改定すればAirbnbを排除できるのか?

マンション管理規約にAirbnb禁止条項を追加することは有効だが、これで完璧かといえばそうとはいえない。区分所有者が開き直ってしまえば、Airbnbの貸し出しを止めることは現実的には難しいからだ。

マンション管理組合が、毅然とした態度を対外的に示し、「この物件でAirbnbの貸し出しをしよう」と思わせないことが肝要。

詳しくは、「管理規約でマンションからAirbnbを排除できるか」参照。
 

国はAirbnbをどうしようとしているのか?

Airbnbという表現こそ使われていないが、「民泊」はすでに2015年6月30日に閣議決定された「規制改革実施計画(PDF:704KB)」において、「イベント開催時で、宿泊施設の不足が見込まれ、公共性の高い場合には、自宅を提供することは、旅館業法の適用外であるということを明確にすることが決定」されている。

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また、同実施計画によれば、「民泊」について、今年度検討を開始し、来年度に結論を出すことになっている。

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Airbnb対策を講じるために、Airbnbの実態を詳しく知るには?

手前味噌で大変恐縮だが、Airbnb問題をテーマに取り上げた本として、唯一出版されている拙著「マンション住民は Airbnb対策を急げ![Kindle版]」をご一読ください。

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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