不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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湾岸エリアのマンション事情(平成27年第2四半期)

国土交通省が8月28日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。


同レポートは比較的バイアスがかかっていない、新築マンションの市況を知り得る数少ない情報だ。


もくじ

東京圏の地価はほぼ全ての地区が上昇

東京圏(43)では上昇地区が 41(前回 39)、横ばい地区が 2(前回 4)となり、ほぼ全ての地区が上昇となった。

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「平成27年第2四半期主要都市の高度利用地地価動向報告」より

 

月島、豊洲、有明などの湾岸エリアの地価動向

月島、豊洲、有明などの湾岸エリアの地価は、過去1年以上上昇傾向を続けている。

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「平成27年第2四半期主要都市の高度利用地地価動向報告」を切り貼り

 

湾岸エリアのタワーマンションに興味のある方が多いので、月島、豊洲、有明など、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」をピックアップしておこう。

佃・月島(中央区):マンション分譲価格は今後も上昇

東京五輪の開催が決定して以降、分譲マンションの販売は好調。旺盛な取得需要を背景に、マンション分譲価格は今後も上昇が期待されている。

  • いわゆる湾岸エリア(豊洲、月島、晴海等)においては、都心への接近性の立地条件等が優れることからマンション需要は依然として根強い
  • 平成25年9月に東京五輪の開催が決定して以降、分譲マンションの販売は好調である。今後も大型マンションの建設が計画されているが、旺盛な取得需要を背景に、マンション分譲価格は今後も上昇が期待される
  • 建築費の上昇等の懸念材料があり、デベロッパーによる採算性の検証が従来にも増して厳格になっているものの、マンション素地の取得意欲は強い。そのため、地価動向はやや上昇傾向で推移している。 
  • 当地区は、従来より都心部への接近性に優れマンション需要は根強く、東京五輪の開催決定以降、湾岸部におけるマンション市況が急速に好転している。
  • 最近は、比較的築年が経過している物件も含め、中古マンションの高値取引が散見される。
  • また、マンション素地については、デベロッパー等による取得意欲は強いものの、目立った動きは少ないが、複数の再開発案件が計画されている。そのため、強い需要と更なるまちの発展により、将来の地価動向は引き続きやや上昇傾向が続くと予想される。

 

豊洲(江東区):今後も強気の価格設定が続く

建築費の高騰によりデベロッパーの採算性の検証が厳格になっているが、利便性の高い湾岸エリアについては建築費の高騰と相まって強いマンション需要を背景に今後も強気の価格設定が続くことが見込まれている。

  • 建築費の上昇に伴うマンション価格の上昇で取引件数は以前に比べて減少したが、東京五輪の開催が決定して以降、分譲マンションに対する需要は新築、中古に関わらず旺盛であり、稀少性のあるマンション素地が市場に供給されれば需要が集中することが見込まれる。
  • 建築費の高騰によりデベロッパーの採算性の検証が厳格になっているものの、東京五輪関連施設の建設や国際的な各種イベント施設等の開発可能性による発展期待も相まって、デベロッパーによる素地の取得意欲は強い。そのため、地価動向は引き続きやや上昇している。
  • 利便性の高い湾岸エリアについては建築費の高騰と相まって強いマンション需要を背景に今後も強気の価格設定が続くことが見込まれる
  • また、上記のとおり、湾岸エリアにおける東京五輪関連施設の建設等が期待される。
  • マンション価格の上昇により全体の取引件数は減少することが予想されるものの、需要は堅調で、マンション素地に対する稀少性に変化はないため、将来の地価動向は当面の間はやや上昇すると予想される。

 

有明(江東区):今後は価格調整局面を迎える

建設費の高騰によりデベロッパーの採算は悪化。分譲価格の上昇と周辺エリアを含めた大量供給により、今後は価格調整局面を迎える可能性がある。

  • 当地区のマンション市況は、建築費の上昇に伴う分譲価格の上昇により取引件数は減少しているが、東京五輪の開催が決定して以降、新築中古を問わず、分譲マンションの需要は旺盛である。
  • 建設費の高騰によりデベロッパーの採算は悪化しているものの、旺盛なマンション需要及び開発用地の稀少性のほか、東京五輪関連施設の建設や国際的な各種イベント施設等の開発可能性による発展期待も相まって、デベロッパーによる開発用地の取得需要は依然として旺盛であり、地価動向は引き続きやや上昇傾向にある。
  • 当地区の分譲マンションについては、分譲価格の上昇及び周辺エリアを含めた大量供給により、今後は価格調整局面を迎える可能性があるものの、当面は堅調なマンション需要を維持することが予想され、開発用地に対する稀少性に変化はない。
  • また、上記のとおり、東京五輪関連施設の建設や地区計画による市街地整備による発展期待が高いことから、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くことが予想される。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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