(株)マンションマーケットが8月17日に正式に運用を開始したマンション売却サービス「マンションマーケット」(https://mansion-market.com)。そこから得られるデータを活用した裏ワザを記した「中古マンションの人気・不人気物件を知る方法」にはけっこう反響があった。
取引件数率(=取引件数÷総戸数)という指標を用いて、中古マンションの人気・不人気物件を評価することについては賛否両論。
まあ、中古マンションを評価しようにも、どのように評価すればいいのか、皆目見当がつかない人にとって、少しでも参考指標になればと思った次第である。
本日は、この取引件数率(=取引件数÷総戸数)という評価指標について、もう少し調べてみた。
築年数と取引件数率の関係(江東区全域)
前回は東雲(江東区)の一部を対象として、分析を進めた。
本日はもっと対象エリアを広げて、分析してみよう。
まずは、江東区全域。
「マンションマーケット」に江東区で登録されている中古マンションは全部で647件(8月20日現在)。
そのうち、取引件数が開示されているのは526件。
この526件について、横軸を「築年数」、タテ軸を「取引件数率」として描いたのが次のグラフ。
バブルの大きさは、「総戸数」を表している。
築年数が増えるほど取引件数率が増える傾向が見られる。
ザックリで言えば、築年数10年で20%、15年で30%が平均的なところ。
取引件数率が高い(=転売率が高い)ということは、ライフスタイルの変化に伴う引越しだけでなく、住み心地の悪さも影響しているのではないか。
という考えのもと、取引件数率が「築年数10年で20%、15年で30%」を大きく超えている物件は、何らかの問題を抱えている可能性が高い物件であると推定した。
問題を抱えていない可能性もあろうが、判断指標が少ない中で、取引件数率を一つのアラームとして考えてはいかがだろうか。
では、「築年数10年で20%、15年で30%」という数値は、他のエリアでも使えるのか?
そのような疑問を抱かれる人がいるかもしれない。
そこで、足立区についても、調べてみた。
築年数と取引件数率の関係(足立区全域)
本当は世田谷区あたりを調べたかったのだが、登録件数が1,215件もあり、作業が大変なので、登録件数の比較的少ない足立区(486件)で分析を進めることとした。
足立区で登録されている486件(8月20日現在)のうち、取引件数が開示されているのは436件。
この436件をグラフ化したのが次図。
足立区でも、築年数が増えるほど取引件数率が増える傾向が見られる。
ザックリで言えば、江東区の「築年数10年で20%、15年で30%」とあまり変わらない。
念のため、江東区と足立区のデータを重ねてみた。
江東区の方が大規模マンションが多いことがよく分かる。
以上、取引件数率が「築年数10年で20%、15年で30%」を大きく超えている物件は、何らかの問題を抱えている可能性が高い物件として注意してはどうかという話。
(本日、マンション広告4枚)