「拡大するAirBnB関連市場 」のブログ記事で、2015年9月12日~13日に開催される「ツール・ド・東北2015」の宿泊施設不足対策として、有料での「民泊」が実施されることを紹介した。
有料での「民泊」が可能なのは、イベント開催時限定の規制緩和(2015年6月30日に閣議決定)により実現したものである。
このようにAirBnBは、使い方によっては、地域創生の起爆剤のひとつともなり得るビジネスモデル。
地方ではどの程度AirBnBが普及しているのか?
AirBnB都道府県別の登録件数ランキングを調べてみた。
- AirBnB都道府県別の登録件数ランキングの調べ方
- AirBnB都道府県別の登録件数ランキング(賃貸アパート)
- AirBnB都道府県別の登録件数ランキング(一軒家)
- 佐賀県に学ぶ?地方でのAirBnBの活用策のヒント
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AirBnB都道府県別の登録件数ランキングの調べ方
たとえば、AirBnBサイトの検索窓に「愛知県」と入力し、物件タイプとして「賃貸アパート」を選択すると、愛知県の賃貸アパートの登録件数は87件(7月31日現在)であることが分かる(次図)。
このようにして、各都道府県の物件タイプ(賃貸アパート、一軒家)ごとの登録件数を拾って、集計していく。
AirBnB都道府県別の登録件数ランキング(賃貸アパート)
※AirBnBサイトでは、登録件数が1,000件を超えると具体的な数字が表示されない。
- 1,000件を超えたのは、東京都、大阪府、神奈川県、千葉県の4都府県
- 観光都市である京都府は、930件で堂々の5位
- 佐賀県が9位(239件)と健闘しているのは、有田焼・伊万里焼きや吉野ヶ里遺跡の効果なのか?
- 首都圏なのに埼玉県が14位(147件)なのは意外だ。
観光スポットが少ないせいなのか?
あるいは外国人に対する観光スポットのPR不足なのか? - 賃貸アパート(マンション)の登録件数が100件以下なのは、32県。
地方ではAirBnB登録件数が少ない
賃貸アパートの集計データを地図に落としてみた。
地方のAirBnB賃貸アパート登録件数が少ない状況が一目瞭然だ。
次は、一軒家について。
AirBnB都道府県別の登録件数ランキング(一軒家)
- 1位東京(954件)、2位京都府(846件)、3位大阪府(519件)
- 一軒家の登録件数が100件以下なのは、34県。地方では一軒家の登録件数も少ない
一軒家の集計データを地図に落としてみた。
地方のAirBnB賃貸アパートと同様、地方の一軒家の登録件数も少ない。
佐賀県に学ぶ?地方でのAirBnBの活用策のヒント
今回、全国都道府県のAirBnB登録件数情報の収集・分析作業を通して分かったのは、AirBnBが盛んなのは東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、京都府などに限られていて、地方ではあまり利用されていないことだ。
ただ、佐賀県の賃貸アパートの登録件数ランキングは9位(239件)と健闘している。ひょとすると有田焼き・伊万里焼きや吉野ヶ里遺跡の効果なのかもしれない。
ここに、地方でのAirBnBの活用策のヒントが隠されているように思う。
地域活性化ワーキング・グループには、地方創生に向けたAirBnBの適切な活用策を具体化する一方で、都市部でのAirBnBの野放図な利用の規制といった、両面での検討が望まれる。
以下追記(2015年8月3日)
AirBnBサイトでは、登録件数が1,000件を超えると具体的な数字が表示されないため、上表では「賃貸アパート」の上位4都府県(東京都、神奈川県、大阪府、千葉県)の登録件数は「1000over」としていた。
ところが、利用料の「価格帯」を小分けにすることで、1,000件以下の登録件数を表示できることに気が付いた。
(例:大阪府では10,000円超の賃貸アパートの登録件数は880件)
そこで、上記の方法で、上位4都府県の賃貸アパートの登録件数を集計し、改めて全都道府県の「賃貸アパート」登録件数のランキングをまとめたのが次表。
表の値を集計すると、全国の「賃貸アパート」登録件数は14,815件。
全国の「一軒家」登録件数は5,603件。
これらの合計は20,418件。
よって、8月3日現在、全国でAirBnBに登録されている件数は約2万件ということになる。
2015年4月20日のWEDGE Infinityの記事では「国内の物件数は7000件を超えている」とされていたので、この3か月間で3倍近くに増えたことになる。
国内のAirBnBは爆発的に増えている!
(本日、マンション広告なし)