不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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新築マンションの販売価格の妥当性を確認する方法

レンタカーリース会社の跡地に建つ、13階建ての大規模マンション。

物件概要

【第1期 本広告】新宿駅直通21分(急行利用)、駅徒歩3分。総戸数254戸、13階建。販売戸数130戸、2LDK(58.17m2)~4LDK(91.08m2)。販売価格3,888万円~8,908万円、最多価格帯5,000万円台(12戸)。平成28年9月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。

  • ※4月18日(土)の物件と同じ。

 

新聞半紙大のチラシのオモテ面に、販売開始の文言。

供給決定

<第1期>130邸

第1期で 総戸数254戸の約半分(130戸)を販売しようという勢いのある物件。

販売価格3,888万円(58.17m2)~8,908万円(91.08m2)は妥当なのか?

 

この物件の販売価格の妥当性を確認してみよう。


もくじ

このマンションの時価を確認する

住まいサーフィンというサイト(2004年4月開設)で、特定の新築マンション(中古も)の時価をピンポイントで知ることができる(下図)。ただし、首都圏と近畿圏が中心。

 

サイト運営者代表の沖有人氏の名字を取って「沖式価格評価」と命名されている。
ただし、会員登録(無料)しないと閲覧することができない。

 

詳しくは、「新築マンション選びには欠かせないサイト「住まいサーフィン」参照。

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「沖式新築時価」よれば、この新築マンションの時価はm2あたり72万円が妥当という評価だ。

 

販売価格と時価を比べてみる

会員登録しておけば、同サイトからこの物件の価格表を閲覧することもできる。

現時点で32住戸の向き、専有面積、m2単価などを知ることができた。

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この32住戸について、横軸にm2単価、タテ軸に階数としてグラフを描いてみた。

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このグラフから、住戸の向きによって次のように価格が設定されていることがよく分かる。

  • 南東向き>南西向き>北西向き

 

このグラフに先ほど確認した「沖式新築時価」72万円を重ねたのが次図。

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「沖式新築時価」は住戸の階数や向きの違いまでは評価できていないものの、売主が設定した販売単価(価格表による価格)はあきらかに「沖式新築時価」よりも高いことが分かる。

 

「沖式新築時価」は、ビックデータを用いた推定価格。どの程度の信ぴょう性があるのかはよく分からないが、ひとつの目安にはなるだろう。

 

過去の類似の成約データと比べてみる

この物件の販売価格の妥当性をダブルチェックする意味で、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している「不動産取引情報提供サイト」のデータを活用してみよう。

 

この物件のある地域(江戸川区船堀)、最寄駅(船堀駅)、「徒歩5分以内」、間取り(2K/DK/LDK・3K/DK/LDK・4K以上)などを指定すると、該当する物件の情報が分布図で表示される(次図)。 

 

該当する物件は全部で13件。グラフでは赤色ので表示されている。

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また、13物件それぞれの具体的なm2単価や築年も知ることができる。

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上表のデータのうち、竣工年とm2単価の関係をグラフ化してみた(次図)。

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一番築浅の物件(2012年竣工)のm2単価が70万円で一番高く、古くなるほど安くなっていく傾向が読み取れる。

 

おおっ?「沖式新築時価」の72万円に近い値だ!

ということは、「沖式新築時価」からみても、「不動産取引情報提供サイト」の成約実績データからみても、本日のチラシの新築物件の販売価格は割高に値付けされているといえるのではないのか。

 

「沖式新築時価」や「価格表を」閲覧するためには会員登録(無料)が必要。

⇒「住まいサーフィン」サイトへGO!

(本日、マンション広告なし)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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