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「一票の格差」が小さい都道府県ほど公共工事のバラマキが多い!

参院選の「一票の格差」を是正するために、自民と4野党が「10増10減」案で合意したというニュース。

参院選合区、自民と4野党合意 鳥取と島根、徳島と高知

参院選の「一票の格差」を是正する選挙制度改革で、自民党と維新の党など野党4党は9日、隣り合う人口の少ない県を統合して新たな選挙区をつくる「合区(ごうく)」を含む「10増10減」案で合意した。

(朝日新聞デジタル 7月9日21時07分)

まだまだ手ぬるい!

1票の格差が公共工事の地方へのバラマキの遠因のひとつ。

公共工事のバラマキ状況 衝撃のアニメーション」に示したように、公共工事は地方ほど手厚い。

 

本日は、「1票の格差」と「公共工事のバラマキ状況」との関係をより定量的に可視化してみよう。


もくじ

自民党が政権に返り咲いてから公共工事のバラマキが急増

まずは、国交省が定期的に公表している「建設工事受注動態統計調査」データを持ちいて公共機関からの建設工事受注金額の変遷を確認してみる。

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自民党が政権に返り咲いた(2012年12月)翌年度から、公共機関からの建設工事受注金額が急増していることがよく分かる。

 

次に、公共機関からの建設工事の都道府県別のバラマキ具合を確認しよう。

公共工事のバラマキ状況を地図化してみた

公共機関からの都道府県別の建設工事受注金額(1件500万円以上の工事が対象)を2014年10月1日現在の都道府県別の人口(外国人を除く)で割り、一人当たりの建設工事受注金額を算出し、地図に落としてみた。

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都市部の一人当たりの建設工事受注金額は少ないことが一目瞭然だ。

 

それでは、 衆議院選挙と参議院選挙の「一票の格差」を計算し、「公共工事のバラマキ状況(公共機関からの建設工事受注額)」との関係を可視化してみよう。

「1票の格差」と「公共工事のバラマキ状況」との関係を可視化

有権者数は、総務省の「選挙人名簿及び在外選挙人名簿登録者数(平成26年9月2日現在)」を用いる。

また、衆議院議員小選挙区選挙の定数(295人)と参議院議員選挙の選挙区選挙の定数(146人)の都道府県ごとの人数は、総務省の「選挙の種類」から拾った。

これらの数字を用いて計算した衆議院と参議院の「一票の格差」を横軸に、先ほど計算した一人当たりの建設工事受注金額を縦軸に表したのが次のグラフ。

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沖縄県と東日本大震災の被災県として膨大な予算が張り付いている3県(岩手県、宮城県、福島県)は、有権者1人当たりの工事費が突出していることが分かる。

 

これら特別な事情がある4県を除くと、「1票の格差」と「公共工事のバラマキ状況」との関係が見えてくる。

まずは参議院。

参議院「一票の格差」が小さい都道府県ほど工事費が多い

「一票の格差」が小さい都道府県ほど、有権者一人当たりの工事費が多いことがよく分かる。

「一票の格差」が大きい兵庫県や埼玉県は、人口一人当たりの工事費が少ない。

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衆議院「一票の格差」が小さい都道府県ほど工事費が多い

「衆議院一票の格差」についても、参議院と同様、「一票の格差」が小さい都道府県ほど、有権者一人当たりの工事費が多い。

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安倍政権発足後、山口県の工事費が急増している

都会と地方の経済格差を埋めるために、地方に公共工事をある程度厚く配分することはやむなしとしても(都会と地方の経済格差について可視化してみた)、安倍総理発足後、おひざ元の山口県の工事費の急増ぶりはいかがなものか。

人口一人当たりの工事費が少ない埼玉県民や兵庫県民はもっと怒ってもいいのでは。

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