アマゾンの登場により、街の本屋さんが廃業に追い込まれている。
6月26日には取次準大手の栗田出版販売が135億円負債を抱えて倒産。
アマゾンが侵食している市場は書籍に留まらない。
昨年の酒類と中古車市場への参入に加え、先月立て続けに2つの大きな市場(プロ用ホームセンターとリフォーム)に参入している。
- 酒類市場への参入(2014年4月8日)
- 中古車市場への参入(2014年6月3日)
- プロ用ホームセンター市場への参入(2015年6月29日)
- リフォーム市場への参入(2015年6月30日)
- アマゾンの中古マンション市場参入への期待
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酒類市場への参入(2014年4月8日)
アマゾンは、大手のビールを全国の消費者に大量に販売するために、全国各地の“ゾンビ免許”(休眠中の酒屋の免許)をかき集め、2014年4月8日直販による酒類の取扱いを開始。
日本最大級の酒屋になった。
本屋さんの次は、街の酒屋さんが淘汰されていく。
中古車市場への参入(2014年6月3日)
中古車販売の「ネクステージ」がamazonのサイトに出店する形態。
シンプルな価格設定(33万、44万、55万円、77万円の4価格)や配送料無料(関東・東海・関西地方)、1年間/1万kmまで無料保証付きなどで既存の業者との差別化を図っている。
プロ用ホームセンター市場への参入(2015年6月29日)
カテゴリとしては「産業・研究開発用品ストア」。
作業用品 ・安全用品、 研究開発用品、 研究用衣類・白衣、接着剤など、作業現場用品・研究用品の品ぞろえストア。
ワークマンやジョイフル本田、コーナンや島忠といった、プロ用ホームセンター市場(ガテン系市場)がターゲットにされているという。
リフォーム市場への参入(2015年6月30日)
「リフォームストア」は、積水ハウスグループ、大和ハウスリフォーム、ダスキンの各社からの商品提供のもとで実現。
約5000品目の商品やサービスを定額料金で出品するという。
実は2012年10月22日に「新築・リフォームストア」として開設されていたのだが、今回は大手3社との連携により、カテゴリを「リフォームストア」に”リフォーム”したようだ。
アマゾンのリフォーム市場参入により、悪質リフォーム業者(悪質リフォーム業者の常套句「近所の屋根で作業していたら偶然見えた」)が市場から締め出される効果が期待できる反面、街の工務店がアマゾンに飲み込まれていく危険をはらんでいる。
アマゾンの中古マンション市場参入への期待
中古マンションが「中古マンションストア」を介して、個人の間で取引される。
中古本であれば既に行われていることだが、中古マンションで行うには、宅建業法などの規制のハードルは高そうだ。
この夏から始まるITを活用した重要事項説明の社会実験が、遠くない将来、アマゾンによる中古マンション直販の実現を予感させる。
仮に、中古マンションの直販にまで至らないにしても、アマゾンが中古マンション情報を提供するプラットフォームになるだけでも、その影響は計り知れない。
中古マンションの価格が簡単に比較できたり、中古マンションを扱う不動産業者の評価(過去12か月で○○%の高い評価(×××件の評価))といったような、お客様重視の情報は消費者にとって極めて役に立つ。
(本日、マンション広告なし)