不動産経済研究所は6月16日、「5月の首都圏マンション市場動向」を発表。
- 発売18.7%減の3,495戸で5ヵ月連続の減少。都区部が落ち込む。
- 契約率は71.1%。戸当たり4,812万円、単価67.9万円とともに下落。
「減少」「落ち込む」「下落」といったネガティブな表現が並んでいることから分かるように、5月の首都圏新築マンション市場は不調。
そんな中で日経や朝日のネット記事には相変わらず、「好不調の分かれ目70%」といった紋切り型の表現が並んでいる。
日経新聞 (2015/6/16 23:31)
都3県の契約率は71.1%となり、販売の好不調の分かれ目とされる70%は上回った。
朝日新聞(2015/6/16 13:30)
首都圏のマンション契約率は71.1%と、好不調の分かれ目とされる70%を5カ月連続で上回った。
「好不調の分かれ目70%」という表現が有効なのは、年間8万戸も供給されていた2000年代前半までだと思う(契約率70%は、好不調の境目といえるのか?)。
で、実態はどうなのか?
思考停止のマスコミに代わって、以下にまとめてみた。
同研究所が過去に発表した数値データも含め、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化(グラフ化)してみる。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
高止まりしていた発売単価は、2月(81.2万円/m2)にピークに達したあと、下降気味。5月(67.9万円/m2)は70万円を切っている。
販売在庫数は、昨年12月に6千戸を積み上がったあと、5千戸の水準を維持し続けている。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、5月の供給戸数1,409戸は、前年同月比で▲43.5%の大幅減だ。
ただ、数年前の低い水準に戻ったともいえる。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は2月(99.9万円/m2)をピークに下降トレンドに。
以上をまとめると、首都圏新築マンション市場は、在庫が増え、発売単価、発売戸数とも下落気味。
業界関係者にとっては目を覆いたくなるような状況が出現しそう、といったところだろうか。
(本日、マンション広告なし)
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ちょっと古い記事ですが・・・・・・