1989年に琵琶湖岸に建設されたリゾートマンションに定住者が増え、300人を超す状態になっているという京都新聞の記事。
リゾートマンション問題(全国で最も安い中古マンションは、10万円の”ババ抜きマンション” )の解決に向かって、定住者が歓迎されているのかと思ったら、そうではないらしい。
リゾートマンション、禁止の定住急増 滋賀・行政サービスなく
滋賀県が掲げた「リゾートネックレス構想」の一環として、1989年に守山市の琵琶湖岸に建設されたリゾートマンションに定住者が増え、300人を超す状態になっている。
建築時に市が「定住目的に利用しない」ことを条件にしたが、法的な規制ではなく、住民登録を受理するようになった。
駐車場が足りないため観光シーズンには周辺に多くの違法駐車が発生しているほか、ごみ回収など行政サービスが受けられない状態が長年続いている。
(京都新聞 6月10日)
問題のマンションは、守山市今浜町にある琵琶湖アーバンリゾート(15階建て、3棟、総戸数約770戸)。
琵琶湖畔の景色の良さそうなところに建っている。
市によると、当時の開発指導要綱に基づき、開発業者との間で「非定住」と取り決め、駐車場台数は世帯数の50%でよいなど建築要件が緩和された。
数年後から定住希望者が出てきたが、当初は住民登録しないよう求めていたという。
(同)
いくらデベロッパー(開発業者)と取り決めておいたって、法的拘束力がなければ実効性は担保されない。
同構想の廃止や転売などで販売価格が5分の1近くまで下がったこともあり、98年ごろから定住目的の購入者が増え、次第に転入届を受理するようになった。
今年3月末現在、住民登録しているのは全体の約3割にあたる236世帯(325人)。
特に、ここ3年ほどで50世帯も増えた。
SUUMOで調べると、中古マンションとして12戸登録されていることが分かる(6月11日現在)。
1LDKが450万円(53.05m2)~880万円(74.93m2)、2LDKが700万円(48.52)~1,780万円(104.1m2)。
たしかに安そうだ。
都市部に近いこのリゾートマンションの場合には、某リゾート地のようにゴーストマンション(やがてはスラム化)問題よりも、定住者増による駐車場・ゴミ問題の方が深刻なのであろう。
無投票で再選された宮本守山市長(東大建築学科卒、元国土交通省住宅局建築指導課長補佐)の手腕に期待しよう。
(本日、マンション広告なし)