不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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グリーもソニーも本業がイマイチなので不動産業界に参入?


Skypeを利用した重要事項説明の可能性議論

不動産取引でのインターネット活用が議論されている。
現在の宅地建物取引業法では、不動産取引の契約に際して宅地建物取引主任者が行う重要事項説明は、対面で行うこととされており、インターネットを通じて行うことは認められていない。
それをSkype(スカイプ)などのITツールを利用して、対面によらず重要事項説明を行うという、規制緩和の検討が行われているのだ。
国土交通省が7月23日に公表した「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」中間とりまとめには、IT活用により期待されるメリットとして次の4つが掲げられている。

  • 地理的な制約が消滅する
  • 重要事項説明を録画して保存することが可能となり、説明内容の誤りや理解不足を原因としたトラブルの防止
  • ペーパーレスでの取引が可能となり、書面化や送付に要するコスト縮減
  • 健全な市場の拡大がもたらされる可能性

また、今年の5月に実施されたSkypeを利用した重要事項説明の「実証実験」から得られた結果として、以下が列挙されている。

  • 重要事項説明の理解度については、対面、非対面で有意な差は見られなかった。

  • Skypeによる聞き取りやすさについては、大きな問題点は指摘されなかった。

  • 図面の説明においては、非対面では分かりにくいという指摘があった。また主任者側でも示しづらいという指摘があった。特に非対面で資料が多くなる場合に、対面での資料とは異なる資料の提示方法の工夫が必要とされるなどの指摘があった。
  • 説明に際しての表情などは、消費者、主任者双方わかりづらい点があった。但し全体として消費者の理解度に応じた説明が多かった。
  • 消費者側では30分程度の非対面の説明では疲労感に関する指摘はなく、2時間の場合には疲労感を感じたとする指摘があった。主任者側については、説明時間によらず、疲労感を感じたという指摘があった。

図面の説明が分かりにくいという点を除けば、概ね良好な「実証実験」結果となっている。
「中間とりまとめ」に対して、8月22日を期限にパブコメ募集中。
その後、12月中に最終とりまとめが行われる予定となっている。


さて、このような役所の規制緩和の動きに対して、民間では異業種から不動産業界への参入が続いている。
ヤマダ電機の不動産ネットワーク事業(2013年12月)や「無印良品」の住宅リフォーム・サービスへ(2014年5月)、GREE(グリー)のオンライン・リフォームサービス(2014年7)やSony(ソニー)の不動産事業(2014年8月)などだ。
ゲーム会社のグリーや、電機メーカーのソニーがどのような不動産サービスを展開しようとしているのか興味深いので調べてみた。

 

グリーのオンライン・リフォームサービス「いえプラス

グリーのオンライン・リフォームサービス「いえプラス」
グリーが始めたサービスは、全国各地の工務店と提携し、WEB上でリフォームの仲介をしようというもの。
「壁紙・クロス」や「床材」、「キッチン」や「ユニットバス」とったリフォーム・メニューごとに「料金一覧表」が簡単に閲覧できる。
5年間保証を付けたり、大手住宅設備メーカーの売れ筋商品を中心に取扱うなど、胡散臭いリフォーム業者が多い業界において安心を意識したサービスとなっている。


2013年のリフォーム市場規模は7.4兆円(矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査結果〜2014年第1四半期〜」(2014.6.6))。
コンプリートガチャ違法問題で打ち出の小づちを失ったグリーの異業種参入は吉と出るか――。


ソニー不動産

ソニー不動産
プレスリリースによれば、ソニー不動産の売りは次の3つ。

  • 米国型エージェント(代理人)制度の導入(公平性)
  • 手数料の合理化 “「率」から「額」へ”(合理性)
  • 新しい情報システムの活用等による顧客ニーズの追求(専門性)

売主と買主のサポートを担当するエージェントを組織的に分けることで、売主の「高く売りたい」、買主の「安く買いたい」といったそれぞれのニーズに特化した公平なサービスを提供するという。
また、成約価格だけではなく、提供する各種サポートの内容に応じて手数料額が変動するきめ細かな料金体系を設定しているという。


いまや凋落の一途をたどるソニー。
トリニトロン方式のテレビやウォークマンを開発したころの「技術のソニー」も今は昔。
MacBookに劣らず格好良かったVAIOブランドが日本産業パートナーズ(JIP)に売却される始末。


本業の家電がまったく振るわないので、ソニー生命やソニー銀行の成功にならって、不動産事業に参入か――。

(本日、マンション広告なし)

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