不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


1,000円で個人情報を売りますか?


駐車場の跡地に建つ、竣工済みの小規模マンション。

物件概要
【先着順】大手町駅直通16分、駅徒歩5分。総戸数24戸、9階建。販売戸数5戸、2LDK(62.43m2)〜3LDK(70.34m2)。販売価格3,948万円〜4,638万円。平成26年2月竣工済み(本チラシ掲載日の4カ月前)。

アンケート記入
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、集客目的のキャッチコピー。

ご体感後、アンケートにお答えいただいた方に、QUOカード最大3,000円分プレゼント!!

「最大」って、どういう意味か?
300円分のQUOカード(クオカード)しかもらえない場合があるのか?

ゴマ粒よりも小さい(ゴマ粒の半分くらいの)文字で記された、次の注釈にヒントがある。

  • ※プレゼントの進呈は、はじめてマンションギャラリーにお越し頂き、アンケートに全てお答えいただいた方で、成人の方1名様(1世帯)1回に限らせていただきます。
  • ご家族皆様でお越し頂いた場合、最大3,000円分のQUOカードをプレゼントいたします。
  • 学生の方は、対象外とさせていただきます。また、以前当物件のアンケートにお答えいただいた方は対象外とさせていただきます。
  • ※他の商品やキャンペーンとの併用はできません。予めご了承ください。
  • プレゼントは後日発送となる場合がございます。
  • 当社の判断によりお断りさせていただくことがございます。

高々3,000円分のQUOカードのプレゼント・ルールにしては、いやに細かい。
これらのルールをひも解いてみよう。


「成人の方1名様(1世帯)1回」限り、「学生の方は、対象外」だから、中高生はもちろん大学生が小遣い稼ぎにマンションギャラリーに行っても、アンケートを受け付けてもらえない。
では、勤労学生は対象外なのか?
そもそも、学生か非学生か、どのようにして見分けるのか?
高校を卒業して間もない20歳未満のサラリーマンは、成人でないので対象外なのか?
フリーターは対象外なのか?
・・・・・・といったように、QUOカード受給資格(そんな、たいそうなものか)の判定ルールが明確ではない、と思いきや――
「当社の判断によりお断り」という、有無を言わせない一方的なルールが規定されている!


「ご家族皆様でお越し頂いた場合、最大3,000円分」と記されているので、子供連れの夫婦3人で行けば、3,000円分のQUOカードがもらえそうだ。
とすれば、DINKSは2,000円分、独身者は1,000円分のQUOカードということか――。
婚約中のカップルは、独身者(1世帯)×2名なので、それぞれ1,000円分のQUOカードがもらえるということなのか。


アンケートを書くだけで、一人当たり1,000円分のQUOカードをもらえるなら、アンケートに答えてもいいと考える人は多いかもしれない。
では、「1,000円分のクオカードと引き換えに、自分の個人情報を売りますか?」という質問を投げかけると、多くの人は「自分の個人情報はそんなに安くない!」と憤慨されるのではないだろうか。
「プレゼントは後日発送」ルールがあるので、アンケートに偽名やデタラメの住所を記入してQUOカードをもらうことはできない。


ちなみに、不動産業における個人情報保護のあり方に関する研究会報告(平成17年1月14日 国土交通省)のQA(本文12頁)によれば、書面によって個人情報を取得する場合は、本人に対して利用目的を明示しておくことが必要とされている。

■Q
買い希望者等が来店した時点で書面によって個人情報を取得する場合は、本人に対して利用目的の明示が必要か。


■A
利用目的が、媒介契約を締結するために本人と連絡をとるためや希望に適する物件等があった場合に連絡するためであれば「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」(法18条4項4号)に該当し、明示を行う必要はない。

しかし、例えば、媒介契約を締結していない段階で買い希望情報を第三者提供することは「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」には該当せず、本人に対して利用目的を明示しておくことが必要となる。

(本日、マンション広告3枚)

[SUUMO] 早めの資料請求で賢くマンション購入

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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