毎週火曜日にリクルート社が発行しているフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」。
9年前(2005年7月)まで、「住宅情報マンションズ」首都圏版(約5万部発行)として1部280円で売られていたことをご存知だろうか。
この住宅情報誌が無料になったとしても、最終的にはマンション購入者がデベロッパー(広告主)の宣伝広告費として、情報誌代を負担していることに変わりはない。
ただ、有料の時代には、住宅情報誌の発行元は情報誌代を支払う読者と広告主の双方に顔を向けていたであろうが、無料となった現在では、広告主だけが発行元のスポンサー(資金源)だ。
発行元の視点は、広告主に偏っていないか?
過去3年分の特集記事(2011年4月5日から2014年3月25日の、全150冊)を調べてみた。
150の特集記事のうち、一番多いのは「年収別の買った家実例集」や「今の給料で買える価格」、「住宅ローン」や「税金」などお金にまつわる記事だ。
次に多いのが、「賃貸vs買う」「新築vs中古」といった、結論を曖昧にした比較記事。
その次に多いのが、「資産価値が落ちない街」「永住したい街 4つの条件」のような街レベルの記事だ(マンションそのものではない)。
あとは、「人気間取りランキング」「間取り選び 常識10」といった間取りに係る記事や「何号室がトク?」といった定番記事が続く。
マンションの品質を見極めるためのノウハウといった消費者視点の記事はほどんど見当たらない。
以上、特集記事に占める割合を、可視化したのが次の図。
それにしても、「年収別の買った家実例集」の類の記事は、次のようにタイトルを微妙に変えながら何度も出てくる。
庶民にローン(借金)を背負わせようとする記事に偏っていないだろうか。
- 年収別4403人 家とお金(2011/4/26)
- 年収別 買った家公開(2011/7/12)
- 今の年収で買える額(2011/9/6)
- 年収と家 3023人調査(2011/9/20)
- 年収別3653人 頭金&買った額(2011/11/22)
- 年収別 買った家実例集(2012/1/24)
- 年収別・買った家 実例集(2012/4/24)
- 年収別・3742人 頭金&買った額(2012/5/15)
- 実例・年収別買った家(2012/7/10)
- 年収別3664人 家とお金(2012/8/7)
- 年収別4108人 家とお金調査(2013/1/22)
- 年収と家 実例公開(2013/4/23)
- 年収別8213人 家とお金調査(2013/5/28)
- 年収と家 実例集(2013/7/16)
- 年収別1万人 頭金&買った額(2013/8/27)
- 年収と家 実例公開(2013/10/8)
- 年収別24組の住宅ロンーン明細(2014/3/11)
(本日、マンション広告なし)