-
- -
東京都は4月25日、「26年冬期 路上生活者概数調査の結果」を公表。
23区の路上生活者数(国管理河川除く)は、調査を開始した平成6年度以降最も少ない、前年同期比162人減の955人となりました。
区別では、新宿区の41人減をはじめ、大田区、北区、台東区などでも減少し、施設別では、都管理の公園及び道路での減少が顕著となりました。
これは、都と23区が共同で路上生活者対策事業に取り組んできた事業の効果が寄与しているものと考えられます。
なお、市町村部では39人、国管理河川では774人で、東京都全体としては1,768人となりました。
区市町別や施設別(公園・道路・河川・鉄道・その他)に路上生活者(ホームレス)の概数が表形式で公開されているのだが、いかんせん数値の羅列で分かりにくい。
そこで怠慢な行政の担当者に代わって、以下に可視化してみよう。
23区の路上生活者数の分布
平成26年1月時点で、路上生活者数が100人を超えるのは次の4区。( )内は、平成25年1月の調査結果。
「23区の路上生活者数は、955人であり、前年同期より162人減」とはいうものの、これら4区の路上生活者は1年前(平成25年1月)と比べても常に多いことが分かる。
地図化してみると、さらによく分かる。
男女別・施設別の路上生活者数(23区)
男女別の路上生活者数の推移(23区)
過去5年間を見ると、男性の路上生活者は約2,000人から約1,400人へと、約3割も減っている。
女性の路上生活者は、もともと男性の2%程度と少ないのだが――52人から32人と20人減少。
率にして38%の減少だ。
施設別の路上生活者数の推移(23区)
路上生活者の割合が多いのは、公園(56%)、道路(23%)、河川敷(12%)の順。( )内は平成25年度の数値。
筆者のようなサラリーマンが普段よく使う、鉄道の路上生活者が5%と少ないのは意外だが、公園や河川敷にあまり出向かないサラリーマンがあまり目にしないというだけのことなのだろう。
自分も公園や路上で寝起きする人々の群れに加わるかもしれないという不安に怯えながら暮らしている、小さな出版社をリストラされた因藤茂雄54歳。
村上 龍「55歳からのハローライフ」に収められている「空を飛ぶ夢をもう一度」で、路上生活者への転落のリアルをかいま見ることができる。
一寸先は闇。備えあれば憂いなし。
幻冬舎文庫648円(税込)
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (9件) を見る