東日本大震災の発生からまもなく3年を迎える。
大地震に対する備えは大丈夫か。
損害保険料率算出機構が2月28日に発表した「損害保険料率算出機構統計集(平成24年度)の火災保険統計と傷害保険統計」から、都道府県別の地震保険の付帯率の経年変化をひも解いてみた。
※「付帯率」とは、当該年度中に契約された火災保険契約(住宅物件)に地震保険契約が付帯されている割合のこと。
地震保険の都道府県別の付帯率の推移
2008年度から2012年度までの5か年間の地震保険の都道府県別の付帯率の推移を可視化(地図化)したのが次図。2011年度から2012年度にかけて、東北地域だけでなく、南海トラフの巨大地震の影響が想定されている地域の地震保険の付帯率が上昇していることが分かる。
もう少し詳しく見てみると――
地震保険の付帯率(2008年度)
2008年度の段階で、付帯率が60%を超えていたのは次の3県でしかなかった。
- 1位:高知県(72.6 %)
- 2位:愛知県(63.3 %)
- 3位:宮城県(62.9 %)
地震保険の付帯率(2010年度)
2010年度の段階で、付帯率60%超えは、7県どまりであった。
- 1位:高知県(75.9 %)
- 2位:宮城県(68.7 %)
- 3位:愛知県(64.6 %)
- 4位:宮崎県(64.0 %)
- 5位:鹿児島県(63.7 %)
- 6位:岐阜県(62.0 %)
- 7位:徳島県(62.0 %)
地震保険の付帯率(2012年度)
ところが、東日本大震災後の2012年度になると、付帯率60%超えは14件に増えている。
- 1位:宮城県(83.5 %)
- 2位:高知県(81.7 %)
- 3位:宮崎県(71.0 %)
- 4位:愛知県(69.5 %)
- 5位:徳島県(69.5 %)
- 6位:鹿児島県(69.3 %)
- 7位:岐阜県(68.8 %)
- 8位:福島県(64.8 %)
- 9位:秋田県(63.2 %)
- 10位:三重県(62.4 %)
- 11位:広島県(61.6 %)
- 12位:山梨県(61.6 %)
- 13位:岩手県(61.4 %)
- 14位:香川県(60.4 %)
地震保険料率区分の変遷
それにしても地震列島の日本で、地震におびえずに安心して住める場所はどこなのか――。損害保険料率算出機構のホームページの「地震保険基準料率のあらまし」のなかに掲載されている「地震保険料率の変遷」をひも解き、都道府県の地震リスクを可視化(地図化)してみた。
地震保険料率区分(1966年6月1日)
地震保険が創設された1966年6月1日時点では、地震保険の料率は、都道府県が3つ(1等地・2等地・3等地)にしか分けられていなかった。
最も料率が高い3等地は、東京都のうち墨田区・江東区・荒川区、横浜市の鶴見区・中区・西区および川崎市の東海道線以東の地域。
地震のひっ迫性の高さよりも、発災後の火災による消失等の影響を勘案した設定となっている。
地震保険料率区分(1980年7月1日)
1980年7月1日時点では、地震保険の料率は5区分になり、最も料率が高い5等地は、東京都・神奈川県・静岡県の3都県であった。
地震保険料率区分(1991年4月1日)
1991年4月1日の改訂では、4区分になり、ここでも、最も料率が高い4等地は、東京都・神奈川県・静岡県の3都県。
地震保険料率区分(2007年10月1日)
2007年10月1日の改訂では、4区分のままだが、最も料率が高い4等地には東京都・神奈川県・静岡県のほか、千葉県・愛知県・三重県・和歌山県・徳島県・高知県の6件が加わっている。
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