電通が2月20日、恒例の「2013年 日本の広告費」を発表。
「2013 年 日本の広告費」は5兆9,762億円、前年比101.4%
― 総広告費は 2 年連続で増加、成長軌道へ
テレビスポット、屋外、交通、POP、展示イベントが好調 ―
「媒体別広告費(2005年〜2013年)」や「業種別広告費〔マスコミ四媒体広告費〕(2004年〜2013年)」など、表形式のデータが掲載されているので、ひも解いてみよう。
媒体別広告費
広告費の総額5兆9千7百億円の中身を媒体別に見ると、「テレビ広告費(1.8兆円)」が全体の3割を占めている。
09年に「新聞広告費」を抜いた「インターネット広告費」は9千億円。
伸び盛りではあるが、まだ全体の16%。
「テレビ広告費(1.8兆円)」の上をいくのが「プロモーションメディア広告費(2.1兆円)」だ。
ただ、この「プロモーションメディア広告費」は、「屋外」「交通」「折り込み」「DM」「フリーペーパー・フリーマガジン」「POP」「電話帳」「展示・映像他」の合計。
それでは、この「プロモーションメディア広告費」の内訳を見てみよう。
プロモーションメディア広告費の内訳
「プロモーションメディア広告費(2.1兆円)」の約4分の1を占めているのが「折り込み広告(5千億円)」。
この「折り込み広告(5千億円)」は、「テレビ広告費(1.8兆円)」「インターネット広告費(9千億円)」に次ぐ市場規模。
残念ながら「折り込み広告(5千億円)」に占めるマンション・チラシの割合は不明だ。
次に、業種別広告費(マスコミ4媒体)を見てみよう。
※マスコミ4媒体とは、「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」のこと。
業種別広告費(マスコミ4媒体)
マスコミ4媒体合計の広告費ランキングは、以下の通り。
不動産・住宅設備は1,150億円で12位、化粧品・トイレタリー(2,799億円)の4割だ。
- 1位:化粧品・トイレタリー(2,799億円)
- 2位:食品(2,721億円)
- 3位:情報・通信(2,433億円)
- 4位:交通・レジャー(2,098億円)
- 5位:飲料・嗜好品(2,069億円)
- 6位:流通・小売業(1,927億円)
- 7位:金融・保険(1,676億円)
- 8位:自動車・関連品(1,671億円)
- 9位:薬品・医療用品(1,475億円)
- 10位:外食・各種サービス(1,423億円)
- 11位:ファッション・アクセサリー(1,173億円)
- 12位:不動産・住宅設備(1,150億円)
- 13位:趣味・スポーツ用品(1,023億円)
- 14位:出版(899億円)
- 15位:教育・医療サービス・宗教(807億円)
- 16位:家庭用品(686億円)
- 17位:家電・AV機器(553億円)
- 18位:案内・その他(396億円)
- 19位:官公庁・団体(315億円)
- 20位:精密機器・事務用品(283億円)
- 21位:エネルギー・素材・機械(249億円)
上図を見ると、業種によって4媒体への依存の割合が異なっていることに気がつく
そこで、業種別の媒体依存率(マスコミ4媒体の合計広告費に対する1媒体の割合)を可視化(グラフ化)してみた。
業種別の媒体依存率(マスコミ4媒体)
「テレビ依存率」が7割を超えているのは、「飲料・嗜好品(81%)」を筆頭に次の11業種。
- 飲料・嗜好品(81%)
- 自動車・関連品(79%)
- 情報・通4言(78%)
- 金融・保険(77%)
- 薬品・医療用品(76%)
- 化粧品・トイレタリー(75%)
- 家電・AV機器(74%)
- 家庭用品(72%)
- 趣味・スポーツ用品(72%)
- 外食・各種サービス(71%)
- 食品(71%)
一方、「新聞依存率」が高い旧来型の業種は次の3つ。
- 案内・その他(86%)
- 出版(63%)
- 交通・レジャー(48%)
「テレビ依存率」と「新聞依存率」の関係を整理したのが次図。
「ファッション・アクセサリー」と「精密機器・事務用品」の「雑誌依存率」が高いことが浮かび上がる。
- ファッション・アクセサリー(雑誌依存率:56%)
- 精密機器・事務用品(雑誌依存率:32%)
「インターネット広告費」や「プロモーションメディア広告費」についても、「マスコミ4媒体」のような業種別の分析をしたいのだが、残念ながらそれらの情報は開示されていない。
電通の最高機密なのであろうか――。