不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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公共工事のバラマキ状況 衝撃のアニメーション

 

東日本大震災の復興を錦の御旗に公共工事をバラマキすぎて、建設業界の人手不足と資材費の高騰が相まって、全国的に公共工事の入札不調が増えている

公共機関からの建設工事がどのくらい増えているのか?

公共機関からの建設工事受注金額の変遷

国交省が定期的に公表している「建設工事受注動態統計調査」データをグラフ化してみた。

 

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公共機関からの建設工事受注金額(1件500万円以上の工事が対象)は、2000年度の18兆円から毎年10%前後減り続け、2006年度に9兆円にまで落ち込んだあと、2009年度までの4年間9兆円の水準が続く。

民主党政権が発足(2009年7月)した翌年度はさらに8.6兆円でボトムを記録。

その後やや盛り返したあと、自民党が政権に返り咲いた(2012年12月)翌年度から急増していることが分かる。

 

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次に公共機関からの建設工事の都道府県別のバラマキ具合を見てみよう。

公共機関からの建設工事の都道府県別のバラマキ具合

公共機関からの都道府県別の建設工事受注金額(1件500万円以上の工事が対象)を都道府県別の人口(外国人を除く)で割り、一人当たりの建設工事受注金額を算出し、可視化(地図化)してみた。

 

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地方に手厚くバラまかれていたのが徐々に減少。

2006年度からは全国的に白くなるほど減少するのだが、島根県の赤色が目立つのは元首相(竹下登)の影響力か――。

2011年度から宮城県が、2012年度からは岩手県・福島県の工事費が急増し、2013年度からは地方も増え始めている。

 

それにしても、1都3県の一人当たりの建設工事受注金額はいつも少ない。 都会と地方の経済格差を埋めるためにはある程度やむなしか。 

公共機関からの建設工事受注金額ランキング(2013年度)

1人当たりの建設工事受注金額が20万円を超えているのは次の8県。

上位3県は被災地なので建設工事受注金額が多いのは理解できるが、和歌山県(25.3万円/人)が全国平均(12.4万円/人)の2倍も金がついている理由はよく分からない。

  • 1位:岩手県(48.8万円/人)
  • 2位:福島県(40.5万円/人)
  • 3位:宮城県(33.9万円/人)
  • 4位:和歌山県(25.3万円/人)
  • 5位:福井県(22.1万円/人)
  • 6位:北海道(20.4万円/人)
  • 7位:高知県(20.3万円/人)
  • 8位:島根県(20.2万円/人)

逆に10万円を下回っているのは、次の12県。

  • 1位:埼玉県(5.8万円/人)
  • 2位:大阪府(7.1万円/人)
  • 3位:神奈川県(7.3万円/人)
  • 4位:千葉県(7.5万円/人)
  • 5位:岡山県(8.2万円/人)
  • 6位:兵庫県(8.3万円/人)
  • 7位:静岡県(8.5万円/人)
  • 8位:滋賀県(8.6万円/人)
  • 9位:栃木県(8.7万円/人)
  • 10位:奈良県(8.8万円/人)
  • 11位:愛知県(8.9万円/人)
  • 12位:広島県(9.0万円/人)

ちなみに東京都は10.5万円/人。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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