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地震保険の世帯加入率の変化に見る、都道府県民の温度差

     日本損害保険協会のホームページに損害保険料率算出機構が調査した地震保険の都道府県別世帯加入率の推移が掲載されている。

過去20年間(1994年度末~2013年度末)の地震保険の世帯加入率の推移データが都道府県別に公表されているのだが、いかんせん数値データなので、加入率がどのように変わってきたのか直感的に理解できない。

いつものように可視化してみよう。

 

まずは、世帯加入率の全国平均の推移グラフ。

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1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災や、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の影響で世帯加入率が増加したようには見えない。

被災した地域以外は、地震保険の世帯加入率が増加していないからなのか?

 

都道府県別の世帯加入率のデータを地図に落とし、さらにアニメーションにして、確認してみよう。

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<地震保険 都道府県別世帯加入率の推移>

 

2005年7月に政府中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」が、首都直下地震(マグニチュード7)による被害想定を公表したころから、世帯加入率が徐々に増え始め、東日本大震災が発生した2011年3月以降、全国的に加入率が急上昇している様子がよく分かる。

  

2013年度末時点での世帯加入率トップ10は次のとおり。

宮城県が5割を超えてダントツの1位。

次に多いのが東海・東南海地震のひっ迫性の高い愛知県。 

  • 1位:宮城県50.4%
  • 2位:愛知県(37.9%)
  • 3位:東京都(34.9%)
  • 4位:神奈川県(33.1%)
  • 5位:千葉県(31.6%)
  • 6位:岐阜県(31.3%)
  • 7位:福岡県(31.0%)
  • 8位:埼玉県(29.0%)
  • 9位:大阪府(29.0%)
  • 10位:静岡県(28.4%)

 

逆に加入率が低いのは次の10県。

大震災の可能性が高くない県が並んでいる。

  • 1位:長崎県(13.2%)
  • 2位:沖縄県(13.4%)
  • 3位:島根県(13.9%)
  • 4位:長野県(16.8%)
  • 5位:佐賀県(17.3%)
  • 6位:群馬県(17.6%)
  • 7位:秋田県(18.0%)
  • 8位:山形県(18.2%)
  • 9位:青森県(18.6%)
  • 10位:富山県(18.6%)

地震保険の世帯加入率から、都道府県民の大地震への備えに対する温度差が感じられる。

天災は忘れた頃にやってくる。

大震災時にマンションの資産価値がゼロになるリスクを回避するために に記したように、マンションが被災して資産価値を失うリスクを避ける方法は、次の二つの方法しかない。

一つは、地震保険をかけておくこと。そしてもう一つは購入(所有)ではなく、賃貸とすることだ。

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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