不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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全戸、南向きモドキ

生命保険会社の研修施設の跡地に建つ大規模マンション。

【第1期1次 先着順】大手町駅直通14分、駅徒歩7分。総戸数459戸、15階建。販売戸数36戸、2LDK+S(65.79m2)〜4LDK(88.58m2)。販売価格3,948万円〜6,388万円、最多価格帯5,200万円台(5戸)。平成27年7月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年8カ月後)。

  • ※5月18日(土)、6月1日(土)、8月23日(金)、11月1日(金)、11月9日(土)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面に、日当たりの良さを連想させるキャッチコピー。

「南向きの明るい、開放的な住まいに暮らしたい」
全邸南向き中心日当りや眺望を重視したプランニング

キャッチコピーの下には、二つの間取り図が掲載されている。
こんな感じ。
チラシに掲載された間取り図
各間取り図の右下に、方位記号が小さく描かれている。
この方位に合わせて、真南を下にして、間取り図を回転させたのが次図。
南を下に回転させた間取り図
チラシに掲載されている「南向き中心」のイメージとは、ほど遠いことに気付く。


では、「全邸南向き中心」とは、どういうことなのか?
キャッチコピーのすぐ近くに、ゴマ粒サイズよりも小さな文字で、次のように注釈されている。

※全459邸中、南東向き279邸、南西向き116邸、南南西向き64邸

可視化してみたのが次の図。
16方位別の住戸向き戸数
何のことはない、南向きの住戸はゼロ。すべて南向きモドキ住戸。
最近問題になっている食品偽装表示なみではないか――。


狭い敷地に、どうやって総戸数459戸の住戸を“南向き中心”になるように配置しているのか?
この物件のホームページに住棟配置が掲載されているので、各住戸の方位を知ることができる。
こんな感じだ。
住棟配置
※赤色は、チラシに間取り図が掲載されていた住戸。
全戸が南向きモドキであることが分かる。
また、目の前に他の棟が立ちはだかっているD棟やE棟については、「眺望を重視したプランニング」とは言えないだろう。

(本日、マンション広告3枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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