不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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契約者にリスクを負わせる「あらかじめご了承ください」という文言

NTTデータの跡地に建つ、幹線道路沿いの大規模マンション。

【予告広告】大手町駅直通14分、駅徒歩8分。総戸数358戸、19階建。販売戸数/未定、2LDK(58.11m2)〜4LDK(99.14m2)。販売価格/未定。平成28年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の2年3カ月後)。

  • ※7月13日(土)、7月21日(日)、10月12日(土)、10月18日(金)の物件と同じ。

新聞半紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らしていて、興味深い文言に気が付いた。

※本物件の隣地に他社のマンション計画がございますので、あらかじめご了承ください。

本物件の敷地に隣接して、南側に大規模なマンション(総戸数459戸、15階建て)が建設中。竣工時期は、本日の物件(以下、「本物件」)よりも半年早い、平成27年7月下旬。
ほぼ同時期に建設される大規模マンションだから、それぞれのマンションを契約した人が、相手のマンションに対して、要望やクレームを出すことは、あまり考えられない。


位置関係は、こんな感じ。
本物件と隣接物件との位置関係
本物件は、日照や通風だけでなく、プライバシーなど、南側に建つ隣接物件の影響を大きく受ける可能性が高い。
「隣接物件の通路からリビングを覗かれないように、廊下のところどころに目隠し板を取り付けてほしい」とか、「通路の照明が眩しくないように、照明器具に遮光カバーを取り付けてしてほしい」とか、「ゴミ集積場を北側(本物件の敷地近く)に持ってこないでほしい」といった要望が、本物件のデベロッパーから隣接物件のデベロッパーに出されるのか。


隣接物件の影響がどうなるのか分からないので、「リスクの大きい南側の本物件は、最初から検討の対象外とすればいい」、と言ってしまえばそれまでなのだが――。
そう言われないためにも、本物件のデベロッパーは、「あらかじめご了承ください」という文言で、契約者にリスクを負わせるのではなく、将来の住民に代わって、隣接物件のデベロッパーと交渉を行い、その結果を開示することが望まれる。

(本日、マンション広告4枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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