不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「Googleマップ斜め45度写真」から日照環境が分かる

Googleが3月21日から、4都市(東京都、川崎市、千葉市、仙台市)のGoogleマップで、45度斜め上から地上を見下ろせる新しい航空写真の提供を行っている。
Googleマップ斜め45度の写真(例)
実はこの斜め45度マップは、マンションの日照環境を把握するための大変有用な情報をもたらしている。


少々前置きが長くなるが、お付き合い願いたい。
環境工学的知見から、南側の建物の影が影響しないように、建物との間隔(隣棟間隔)は十分にあることが望ましい。
どれくらいの間隔があればいいのかといえば、1年で最も建物の影が長くなる冬至で、午前10時から午後2時までの4時間の日照は欲しい。
そのためには――難しい計算を端折っていうと――東京では南側の建物の高さの1.9倍の隣棟間隔があればよい。
経度の高い地域ほど、さらに長い隣棟間隔が必要となるが、日本では概ね2倍前後あればよい。


この「隣棟間隔2倍」の話が、「Googleマップ斜め45度の写真」とどう関係してくるか、次図をご覧いただきたい。
「隣棟間隔2倍」と「Googleマップ斜め45度の写真」
南側の高さHメートルのマンションの屋上から斜め45度の線を伸ばした水平距離はHメートル。
Aマンションの隣棟間隔は1倍しかなく、Bマンションの隣棟間隔は理想の2倍。
ということは、「Googleマップ斜め45度の写真」で、南側に建つ建物が邪魔になって北側に建つマンションの1階部分が見えない住戸は、隣棟間隔1倍以下しかないことを意味している。
つまり理想とする2倍にも満たない、日照環境の優れない住戸ということになる。


逆に言えば、北側に建つマンションの南側の敷地まで十分に見える物件であれば、良好な日照環境が期待できるということだ。


今一度、十分な隣棟間隔が確保されたUR(都市再生機構)のマンション群の写真をご覧ください。
Googleマップ斜め45度の写真(例)


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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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