不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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売主都合の販促チラシに、PS配置がメチャメチャな間取り

6階建てマンションの跡地に建つ11階建ての中規模マンション。

【第2期 先着順】大手町駅直通14分、駅徒歩4分。総戸数47戸、11階建。販売戸数20戸、2LDK+S(62.31m2)〜3LDK+S(102.84m2)。販売価格3,920万円〜7,670万円、最多価格帯4,300万円台(3戸)。平成25年1月末日竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。

  • ※10月15日(土)、10月28日(金)の物件と同じ。

水見槙乃(フライパンを持つ女性)

売り主都合の販促コピーが並ぶ
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、イメージキャラクターとして、三船敏郎の長女、三船美佳(29歳)がほほ笑んでいる。
右上隅に記載された「第1期完売御礼」の文字は、その絶妙な配置と相まって、あたかも彼女が発しているような錯覚を覚える。


チラシ裏面にも、「あなたなら、どんなセレクト?」と、間取りを無償で変更できることをPRしているエプロン姿の三船美佳の写真が掲載されていることで、この物件に和やかな印象を与えている。


「○○区初!! 東京防災優良マンションに登録」だとか、「太陽光発電システムを採用」だとか、売り主都合の販促コピーが並ぶ、近隣商業地域に建つ、駅チカのこのマンション。これらのイメージ戦略が功を奏して第1期が完売したのだなぁ、と思いつつチラシに掲載されていた3つの間取り図を見ていて気になったのは、Bタイプ(2LDK+S、67.87m2)の間取り。
リビング・ダイニング(約13.9畳)と洋室(1)(約6畳)が南面するのは良いのだが、北側のサービスルーム(約6畳)は、採光が確保できない「納戸」だし、そのサービスルームと南側の洋室(1)に挟まれた洋室(2)は約4.3畳。4畳半にも満たない狭さだ。
しかも、北側のサービスルーム(約6畳)と南側の洋室(1)には、柱型がシッカリと食い込んでいるので使い勝手が悪そうだ。
今どき柱の配置がアウトフレーム(=居室の外側に柱が配置されている)でないマンションなんて・・・・・・。


SIの設計思想から程遠い間取り
さらに気になるのは、3つの部屋の境にそれぞれ設置されたクローゼットに、いずれも「PS」表示があること。
PSとは、パイプスペース(Pipe Space)あるいはパイプシャフト(Pipe Shaft)の略。上下階を貫通する水周りの配管を収納しているスペースのこと。
自分の浴室やキッチンとは関係のない、他人の住戸のためのPSが上下階を貫通しているのだ。
このようなPSの配置がメチャメチャな間取りは、SI(スケルトン・インフィル)の設計思想からは程遠い。
構造躯体(スケルトン)と内装設備(インフィル)を分離させ、PS(パイプスペース)を住戸外に設置することで、メンテナンスや将来のリフォームが容易になるというのがSI(スケルトン・インフィル)。
SI(スケルトン・インフィル)の設計思想から程遠い、PSの配置がメチャメチャなマンションの資産価値は極めて低い。


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(本日、マンション3枚)

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