高架線路から道路ひとつ隔てて立つ、小規模マンション。
【予告広告】大手町駅直通16分(快速利用)、駅徒歩2分。総戸数37戸、7階建。販売戸数/未定、?LDK(55.58m2)〜3LDK(85.25m2)。販売価格/未定。平成23年8月上旬竣工(本チラシ掲載日の7カ月後)。
新聞半紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、定期借地権付きマンションであることが分かる。
- 借地権の種類/一般定期借地権<地上権>
- 存続期間/60年。
- 期間満了時に更地にして返還することが条件です。建物の買い取り請求・契約更新及び改築等による期間延長は一切できません。
駅チカ(徒歩2分)の定借マンション。
マンションの寿命が40、50年であることを考えると、60年の借地期間が設定されていれば、“使い捨てマンション”とはいえなさそうだ。
地主がよく60年もの長期にわたる借地権の設定を受け入れたものだ。
さて、この定期借地権付きマンションは、一体どの程度市場に出回っているのか?
「平成21年度定期借地権供給実態調査(平成22年3月 国土交通省)」の報告書(全55頁)を以下にひも解いてみた。
定期借地権付住宅供給戸数の推移(分譲マンション)
平成19年、平成20年と1,000戸前後に推移した分譲マンションは、平成21年度には平成18年の水準まで大幅に落ち込んでいることが分かる。
地域別定期借地権付持家供給戸数の推移(分譲マンション)
三大都圏別にみると、中部圏・近畿圏ともに落ち込んでいて、首都圏がなんとか頑張っている状況。
周辺の分譲マンション価格との比較
周辺の分譲マンション価格と比べてみると、「70〜80%未満」が全体の34.8%で最も多く、次いで「80%〜90%未満」が26.6%となっている。
保証金と権利金を含めても、定借マンションのほうが、一般の分譲マンションよりも平均で80.8%と安価ではある。
全国の二次流通比率(分譲マンション)
定借分譲マンションの二次流通比率(各年における定期借地権付住宅の累積戸数(ストック)に対する各年の二次流通戸数の割合)は、平成21年では0.8%と、1%にも満たない。
二次流通時の築年数(分譲マンション)
「13年以上〜14年未満」が43戸(24.9%)と、より時間の経過したものが最も高い割合となっているのは、当然か。
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