不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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竣工時期が明記されていないチラシは―


本日、マンション広告3枚。

【最終期(第6期)本広告】東京駅直通29分、駅バス5分+徒歩1分。総戸数150戸、6階建。販売戸数7戸、3LDK(85.55〜97.32m2)。販売価格4,630万円〜8,120万円。平成22年1月竣工済み(本チラシ掲載日の1カ月前)。

  • ※09年8月21日(金)の物件と同じ。

湾岸の残された県借地に建つ、大規模マンション。


新聞半紙大のチラシのオモテ面に、竣工済み物件によく見られる苦肉のキャッチコピー。

  • 堂々完成

いつ完成したのか、チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと――
なっ なんと竣工時期が記載されていない!
念のため、この物件のホームページを見てみると、「情報更新日 2010/02/09」として、「建物竣工時期 平成22年1月竣工済み」と明記されていた。


「不動産の表示に関する公正競争規約(別表6)」によれば、「建築工事が完了していない場合は、入居予定年月」の表示で許されるが、そうでない(建築工事が完了している場合)には、「建物の建築年月」を表示することになっているのだぞ。


ちなみに、この物件の1月8日のチラシでは「まもなく完成」と謳われていて、「物件概要」には「入居予定時期/平成22年3月下旬」と記されていた(竣工予定時期は記されていなかった)。
まだ工事が完了していな段階なので、「入居予定時期」明記だけで広告表示ルール的にはOK。
でも、本日のチラシの段階では、建物は既に竣工しているのだから、建物竣工時期を明示する必要がある。


大手不動産の販売担当者が、こんな初歩的な広告表示ルールを理解していないのかといえば、ひょっとして次のようにエクスキューズするかもしれない。

「建物の建築工事の完了」とは「建物をその用途に従い直ちに使用することができる状態に至ったことをいう(「不動産の表示に関する公正競争規約」第18条(6)号)」のであり、この物件はまだ使用できる状態に至っていないのだから、「建物の建築年月」を表示する必要がない。

ただ、チラシで「堂々完成」と謳っているし、ホームページでは「平成22年1月竣工済み」と言い切っているので、このエクスキューズでは説得力に欠ける。


まあ、建物の竣工前であろうが竣工後であろうが、竣工時期が明記されていないチラシに胡散臭さを感じるのは筆者だけではないだろう。

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