不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「全住戸販売終了後」に引渡しされる値引き住戸はお買い得か?


本日、マンション広告8枚。

大手町駅直通16分、駅徒歩11分。総戸数65戸、14階建。平成21年8月31日竣工済み(本チラシ掲載日の2カ月前)。

  • 登録抽選販売販売戸数1戸、3LDK(76.42m2)。販売価格4,690万円。
  • 【先着順販売】販売戸数6戸、1LDK+S(56.98m2)〜3LDK(76.42m2)。販売価格3,670万円〜5,200万円。
  • ※08年3月21日(金)・10月4日(土)・11月23日(日)の物件と同じ。

幹線道路沿いに建つ、竣工済みの中規模マンション。


B4判のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らしていて、怪しげな記載に気が付いた。

訂正とお詫び/登録受付期間が、10月12日(月)20:00まで、から10月25日(日)20:00までに変更になりました。
ここに訂正してお詫び申し上げます。

登録受付をしたものの、反応がイマイチで締切日を2週間ほど延ばすというのはよくある話。
そのことをわざわざチラシでお詫びしていることが、腑に落ちない。
情報開示の高さを演出しているだけなのか・・・・・・。


ただ、延伸した締切日(10月25日)は、すでに5日前のことだ。
「物件概要」には、「登録抽選販売/販売戸数1戸」と「先着順販売/販売戸数6戸」の計6戸が販売対象とされているが、すでに5日前に受け付けが締め切られた「登録抽選販売/販売戸数1戸」のほうは現時点では販売対象とはなり得ないではないか!


業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」では、「物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示」を「おとり広告」として禁じている。

■第21条(おとり広告)
事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。

  • (1) 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
  • (2) 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
  • (3) 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

このおとり物件、「物件概要」には更に次のような注記もなされている。

  • お引渡し日/全住戸販売終了後

現在のマンション不況下、これでは一体いつになったら引き渡してもらえるのか分からない。
「全住戸販売終了後」に引渡しというハチャメチャな契約条件を受け入れた人はいたのか?


ところで、なぜ引渡しが「全住戸販売終了後」なのか?
過去(10月2日)のチラシにその答えがあった。
対象住戸が「販売事務所使用予定の為の特別価格で、登録抽選住戸」となっていたのだ。
660万円引きの特別価格とはいえ、引渡し日が確定していない住戸。
しかも、「住居の用に供されたこと」がないとはいえ、「販売事務所」として実質的に使い古される住戸。
660万円引きの特別価格に飛びついた人は本当にいたのだろうか・・・・・・。

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