不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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修繕積立金だけが安くなった再販物件


本日、マンション広告4枚。

新宿駅直通22分(急行利用)、駅徒歩9分。総戸数62戸、8階建。平成22年1月竣工(本チラシ掲載日の5カ月後)。

  • 【先着順住戸】販売戸数60戸、2LDK(57.55m2)〜4LDK(80.98m2)。販売価格3,261.2万円〜4,907.3万円、最多価格帯3,700万円台。
  • 【登録申込受付住戸】販売戸数2戸、3LDK(70.00m2)〜4LDK(76.80m2)。販売価格3,592.5万円〜3,954.8万円。
  • ※08年6月22日(日)、09年2月13日(金)・3月20日(金)と同じ。

幹線道路沿いに建つ、景観区域に隣接する中規模マンション。


「予告広告」とも「本広告」とも明言していない、B3判のチラシ。
物件概要に目を凝らしていて、妙な文言に気がついた。

本物件は平成20年9月14日〜平成21年3月30日まで「○○(=旧物件名)」(売主/株式会社△△)という名称で販売しておりましたが、売主変更に伴い、名称も変更して新たに販売を再開することになりました。予めご了承ください。

旧物件名のときの売主である株式会社△△は、今年の3月30日に破産した新興デベロッパー。


旧物件名で販売していたころの折り込みチラシを確認すると、竣工予定時期が今年の6月(2カ月前)となっていた。
この4カ月余りの間に、破産管財人の管理のもと、入札に掛けられて落札したのが今回のデベロッパーということになる。


さぞかし“アウトレットな価格”で再販されていることだろうと思って、破産前のチラシの価格と比べてみたが、ほとんど変わらない値付けとなっている。


おいおい、ずいぶんとオイシイ商売をしているではないかと思いながら、「管理費」と「修繕積立金」も比べてみて、さらに驚いた。
m2当たりの管理費(月額)は、破産前も今回も同じ163円/月・m2。
ところが、m2当たりの修繕積立金(月額)のほうは、破産前が84円/月・m2、今回が57円/月・m2と、32%(=1-57÷84)も安く設定されているのだ。
つまり、売れてしまえばこのデベロッパーとは関係のない修繕積立金のほうは安く設定し、この物件購入の割安さを演出する一方で――
このデベロッパーのグループ会社が管理をすることになっている管理費のほうは、値下げをしていないのだ。


厳しいマンション市況下において、商魂のたくましさは理解しないでもないが、安く設定された修繕積立金に将来泣かされるのは、このマンションを買った住民であることを忘れてはならない。

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