不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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あまい返済例を掲載したチラシ


本日、マンション広告7枚。

【第1期1次本広告】大手町駅直通9分、駅徒歩7分。総戸数262戸、17階建。販売戸数90戸、2LDK(60.54m2)〜4LDK(84.09m2)。販売価格3,790万円〜6,350万円。平成22年3月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。

  • ※2月15日(日)、4月24日(金)、5月30日(土)、6月6日(土)の物件と同じ。

準工業地域、運河沿いの寂しい敷地に建つ大規模マンション。


B3判チラシ裏面に掲載された3つの間取り図のすべてに販売価格帯が併記されている。
しかもそのうちの2つの間取り図の直下には、ローンの支払い例までも示されている。
そのうちの一つは次のとおりだ。

  • 70C1aタイプ(211号室)お支払い例(ボーナス返済あり)
    • 販売価格4,190万円の住戸を頭金420万円でご購入の場合
    • 月々8万円台で購入可能

文字の大きさといい、色使いといい、「月々8万円台で購入可能」という表現がよく目立つ。
月々の支払いは87,650円だから、いちおう「月々8万円台」ではある。
ただし、年2回のボーナス時には187,345円(=87,650円+99,695円)と倍増。


70C1aタイプ(71.19m2)に、管理費(180円/m2)と修繕積立金(84円/m2)を加えると――
月々の支払いは106,444円(=87,650円+管理費12,814円+修繕積立金5,980円)だから、これも一応「月々10万円台」ではある。


夏のボーナスシーズンを前に、住宅ローンが返せない世帯が急増するという「6月危機」が懸念されているというのに、本日のチラシのように「ボーナス返済あり」の試算例を掲載するのはどうかと思う。
しかも、試算の前提条件がよくある変動金利型だ。

金利は年2回見直しされますが、返済額は適用金利が変わっても5年間一定で、5年ごとに調整されます(ただし、前返済額の1.25倍が限度)。

そもそも、当初の低い金利0.875%は店頭金利より1.6%優遇された利率だから、2年後には1.6%の優遇金利が適用されなくなり、5年後には月々の返済額の見直しが行われるということだ。
つまり、結果として、5年目以降支払いが増加し、家計が破たんするリスクが大きいということ。



ちなみに、万が一返済が滞りそうになったら、できるだけ早めに金融機関に相談するのが基本。
最悪の状況に陥った場合でも、競売(けいばい)を避け、任意売却の相談(住宅金融支援機構)に乗ってもらえる。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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