不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「ゆとり返済」のリスク管理債権化を教訓に

リスク管理債権の比較


日曜日、マンション広告2枚。

  • 3月21日(金)、10月4日(土)の物件と同じ。

【本広告】大手町駅直通16分、駅徒歩11分。総戸数65戸、14階建。販売戸数43戸、1LDK+S(56.98m2)〜3LDK+S(80.01m2)。販売価格3,450万円〜5,770万円、最多価格帯4,300万円台。平成21年8月竣工(本チラシ掲載日の9カ月後)。

幹線道路沿いに建つ中規模マンション。

  • 管理費・修繕積立金・駐車場使用料を含む
  • 頭金円 ボーナス払い 円 月々12万円台

B4サイズのチラシのオモテ面に記されたこれらの情報には、肝心の販売価格が抜けている。
裏面の物件概要のゴマ粒サイズの文字で記された「お支払い例」に目を凝らして、初めて販売価格4,170万円(Cタイプ 203号室)の場合、月々の返済額が105,211万円であることが分かる。
この105,211円に、管理費11,200円、修繕積立金4,680円、駐車場2,000円を足して、123,091円だから、たしかに12万円台であることに間違いなさそうだ。
月々12万円台の支払で手に入るのがCタイプの1LDK+S、専有面積56.98m2。
ただし、月々12万3千円の支払いを35年間も続ける必要がある。
優遇金利1.475%とはいうものの、変動金利だ。
35年もの間、低金利状態が続くことはあり得ない。
月々の支払条件については、大きな文字で、詳細にわたってハッキリと示すべきだ。
さもなければ自己破産する人が増えるばかりだ。

    • -

住宅金融支援機構のホームページに、9月30日付けで、「ゆとり返済に関するデータの公表について」という投資家向けの情報が開示されている。
「ゆとり返済に関するデータについては、投資家の皆様のご関心も高く、またご照会も多いことから」公表したという。

(前略)
ゆとり償還利用債権のリスク管理債権の内訳を見ますと、貸出条件緩和債権が平成18年度▲1020億円、平成19年度▲1264億円と大きく減少しています。
これは、ゆとり償還期間から数年以上経過し、新たに返済困難となる方が減少してきたことによるものと考えられます。
(後略)

「ゆとり返済」がリスク管理債権となる額が減少してきたという説明は、あくまでも投資家に対してのもの。
「ゆとり返済」とは、最初の5年間の返済額を極端に少なくして6年目以降に返済額が増加するタイプの住宅ローン
「ゆとり返済」を選択した結果、途中から返済が困難になる割合が既往のローンよりも高いことを理解しておくことは、これから変動金利でローンを組もうとされる方にとって参考になるのではないか。
住宅金融支援機構が今回、投資家向けに開示したデータをもとに、既往のローンとゆとり返済のそれぞれのリスク管理債権の割合をグラフ化してみた。
既往のローンがリスク管理債権になる割合8〜9%に対して、ゆとり返済のそれは17〜18%と約2倍。


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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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